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4.食道がん 高度進行がんに対する集学的治療

食道は気管や大動脈、肺といった命にかかわる内臓に接し、がんが直接浸潤してしまい手術ができなくなることが多いがんです。関西医大病院では、一般的には手術不能とされている食道がんを化学療法(抗がん剤、免疫療法)や放射線治療を組み合わせながら、残ったがんに積極的に手術を施行しております。

周囲の内臓とともに切除する術式を安全に行える施設は日本でも数少なく、当院ではこういった患者さんを日本全国の病院から紹介いただいております。

日本の食道がんの“最後の砦”としての役割を果たしております。

治療前

がん(黄色の部分)が気管(青線)や大きな動脈(赤線)に巻き付いています。
このままでは、手術で取り除くことはできません。
そこで、抗がん剤と放射線治療、さらに免疫治療を行いました。

治療後

治療前に比べて、がん(黄色の部分)は小さくなりましたが、まだ少し動脈に巻き付いた状態で残っています。
通常は、手術は不能であり、抗がん剤や免疫治療を継続することになりますが、現状では1年生存率が20%程度と極めて難治性のがんです。

この患者さんは胸腔鏡・腹腔鏡による手術を安全に施行し、術後1年以上再発もなく元気にお仕事に復帰されております。