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1.食道がん 初診から治療が始まるまでの流れ

1-1 初診から治療方針決定まで

食道専門外来は、水曜日と金曜日に行っております。紹介元の医療機関から初診予約をお取りいただき、紹介状を持参して来院ください。

初診の日は、外来診察の上で①食道がんの進行度および②全身の状態(内臓機能)③心身の元気さをチェックするための検査を行います。

①食道がんの進行度をチェックするための検査として、造影CT検査、PET-CT検査、内視鏡検査、血液検査(腫瘍マーカー)を行います。初診時にCT検査を行うことができますので、初診当日は朝から水分(スポーツドリングなどはかまいません)のみにして来院ください。残りの検査も初診から1週間以内に行います。

②内臓機能をチェックするための検査として、心電図(心臓)、肺活量検査(肺)、動脈硬化検査(血管)、血液検査(肝臓、腎臓、糖尿など)を行います。これらの検査は初診当日に行います。 より詳細な診断を行うため、これらの検査を紹介元の病院で行った場合でも、当院で再度検査をさせていただくことがありますのでご了承ください。

③心身の元気さは、問診や筋力測定などで行います。手術だけでなく、抗がん剤や放射線も体や心にダメージを与えます。それらに耐えうる体力と気力があるか、支えになってくれる存在はあるのか、などを確認させていただきます。

食道がんの進行具合、内臓機能の元気さ、心身の元気さ、これら3つを評価し、関係各科(上部消化管外科、消化器内科、がんセンター、放射線科)にて合同食道がんカンファレンスを行い、食道がんの進行度や全身の内臓機能の状態を考慮して、最適と思われる治療方針の検討を行います。

次回の外来診察時に、病状の説明を行い、検討結果も踏まえた治療方針の説明・相談の上、治療方針を決定します。

初診からの流れ

初診日:問診・診察、造影CT・血液・心電図・肺活量・動脈硬化検査

 ↓ 1週間以内:PET-CT検査、内視鏡検査

1週間後:病状説明・相談、治療方針決定

1-2 治療までの流れ

初診日から治療開始までのおおよその期間は、

化学療法:10日~2週間、放射線療法:2~3週間、手術療法:3~5週間となっています。(病状により食事が摂れないような場合には、即日入院していただくこともあります)

治療開始までの時間に心も体も準備をしていただくため、がん治療を支えるチームによる介入も行っております。

チームを支えるメンバーは、上部消化管外科医に加えて、歯科、耳鼻科、リハビリテーション科、栄養管理部、がん相談支援センターなどで構成されています。治療が始まる前から各科に受診していただきます。

歯科 口腔内のケア、歯科治療を行い、抗がん剤や放射線の有害事象や手術後の合併症を予防します。
耳鼻科 食道がんに合併しやすい咽頭がん・喉頭がんなどの頭頸部がんのチェックを行います。また、嚥下機能の評価を行い、治療で弱った嚥下機能の回復リハビリを行います。
リハビリテーション科 運動機能評価に基づく運動指導を行い、がん治療の伴う運動機能の低下を予防し、治療後の早期の社会復帰を目指します。
栄養管理部 治療前後の栄養評価を行い、食事指導を行います。抗がん剤に伴う有害事象に応じた食事形態の調整や術後の嚥下機能や術式に合わせた食事内容や摂取の仕方の指導も行います。
がん相談支援センター 患者さんやその家族が抱える癌に関連する悩みや療養生活上の心配、医療保険・社会保障制度に対する疑問などの相談を行います。