診療支援部門脊椎神経センター
概要
患者のみなさんへ
世界を代表する高齢化社会となった本邦では、高齢者を安全に合併症なく治療するさまざまな治療技術の開発応用が社会的要請となっています。当センターは本邦を代表する低侵襲脊椎治療施設として、世界でも先端の低侵襲脊椎疾患治療に力を入れている他、様々な難治性脊椎疾患に対する外科治療に取り組んでおります。2019年3月には新鋭・先端の術中CT(O-arm2)を導入し、高精度で低侵襲な脊椎外科手術が可能となっています。小児から高齢者までの脊柱変形、脊椎靭帯骨化症、脊椎脊髄腫瘍、腰仙椎変性疾患、頚椎変形疾患等に特に力を入れて治療しています。
高齢者人口は益々増加しており、加齢に伴う腰椎や頚椎疾患に悩まれている患者さんが非常に多くなっています。当センターでは多くの患者さんにリスクの高い脊椎の治療を安全にかつ正確に、そして合併症を起こさずに受けていただくことを最も大切にしております。そのために新鋭・先端の手術設備や神経組織を監視する機器を積極的に使用するとともに、世界レベルの高い治療技術を常に維持する治療グループ作りに取り組んでおります。患者さん達が安心して治療を受けられ退院されることを心から願っております。
特色・強み
脊柱変形に対しては、子供さんの脊柱側弯症に対する検診・治療(装具治療や手術)から成人の脊柱変形の治療を行っています。子供さんの側弯症には様々な種類があり、学校検診で指摘された場合には遅滞なく専門医の診断と適切な治療を受けることが重要です。
当センターでは装具などによる保存治療や薬物治療、新鋭の低侵襲脊椎手術手技(OLIF, XLIF, PPSなど)による矯正治療を行っています。神経合併症の防止や手術侵襲と放射線被ばくの低減のため、当科では術中CT(O-arm2)と連動した先端の脊椎ナビゲーションや脊髄モニタリング装置(NIM-Eclipse)を使用して安全安心な手術治療を常に目指しています。
脊椎靭帯骨化症は頚椎や胸椎に起きやすく、骨化巣が大きなものでは治療が非常に難しくなります。当センターでは治療が最も難しい巨大骨化による脊髄の障害を前方から骨化巣を掘削して治療する前方浮上術を術中CTを使用してより高精度かつ安全に行えることを目指しています。
国際低侵襲脊椎外科学会(SMISS), International Leaderとしての活躍
本センター長である小谷善久は低侵襲脊椎外科の最大学会である国際低侵襲脊椎外科学会(SMISS)のInternational Directorとして、かつ本学会のAsia-Pacific学会の代表として活躍しています。本学会の目的は低侵襲脊椎外科の国際的技術教育と交流にあります。2023年はオーストラリア、メルボルンで開催します。
主な対象疾患
- 腰椎分離すべり症
- 腰仙部疾患
- 変性側弯症
- 後弯症
- 脊椎腫瘍
- 脊椎感染症
- 脊椎圧迫骨折