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診療科血管外科

外来診察 本館2F ※初診や再診の受付完了後にお越しください

概要

患者のみなさんへ

当科は2013年に新設された診療科で全身の動脈、静脈、リンパ管の内科的、外科的治療を行っています。昨今の高齢化社会における動脈硬化症の増加によっておこる手足の血管の閉塞、狭窄(閉塞性動脈硬化症)や大動脈のこぶ(大動脈瘤)、また血管病のなかで一番多いとされている足の血管のミミズ腫れ(下肢静脈瘤)や突然の足のむくみ(深部静脈血栓症)などを中心に診療をしています。当科では血管病に関して予防、診断から薬での治療、手術、低侵襲な血管内治療まですべてにわたって行っています。我が国では多くの病院が心臓血管外科でこのような病気を診療していますが、ほとんどの科が心臓専門です。関西医大総合医療センター血管外科では血管診療に特化したスペシャリストがおなかや足の血管病の治療はもちろんのこと、動脈硬化症にならずに全身健康で老後を暮らせるためのお手伝いをさせていただきます。

特色・強み

当科は血管疾患のすべてを責任領域として軽症例から重症例まで診療してまいります。薬を使った保存的治療、健康科学センターと協力して行う監督下運動療法、低侵襲な血管内治療、重症例での切り札ともなるバイパス手術のいずれも行っております。関西では数少ない血管外科単独診療科として他病院ではできない血管病の治療を行っています。

閉塞性動脈硬化症の最重症例では足の末端の傷が治らず下肢切断に至る可能性が高い状態です。血管内治療(カテーテル治療)とバイパス術がどちらもできてうまく使い分けることが必須であると考え、我々の施設では以前よりバイパス術と血管内治療との使い分けを重視してきました。その結果、どちらの治療法でもよい結果を得ることができました。

透析患者は全身状態や血管の性状が悪く、バイパス術は危険で効果が少ない、と考えられがちですが、我々の施設での長期成績では透析例でも非透析例と変わらない、良い下肢切断回避率が得られています。カテーテル治療では太刀打ちできない症例でもいろいろな工夫を凝らしたバイパス術で足を救える患者さんが少なくありません。

主な対象疾患

  • 閉塞性動脈硬化症(歩くと足が張り痛んで歩けなくなる/足に傷ができて治らない/足の指先が黒くなり痛む)
  • 下肢静脈瘤(足の血管がミミズのように浮き出ている/立っていると足がだるくなる/こむら返り(足の「つり」)がひどい)
  • 大動脈瘤(無症状だがおなかにドキドキするこぶが触る/CTで胸やお腹の大動脈が膨らんでいる)
  • 深部静脈血栓症(片足だけが突然太く腫れ上がる)
  • 透析シャントトラブル(透析シャント作成が必要となる/透析シャントが詰まりかけている/シャント部分に腫れや痛みが生じた)

各種実績

診療実績(2022年度)
1日平均入院患者数 8.3人
平均在院日数 12.4日
1日平均外来患者数 11.4人
手術実績(2022年度)

手術件数(手技件数) 386(431)例

動脈手術 75例

閉塞性動脈硬化症 23例
大動脈-両側大腿動脈バイパス術 1例
腸骨(大腿)-大腿動脈交叉バイパス術 1例
大腿-膝上膝窩動脈バイパス術 1例
大腿-膝下膝窩動脈バイパス術 8例
大腿-足部動脈バイパス術 3例
膝窩-足部動脈バイパス術 2例
大腿動脈血栓内膜摘除術 4例
追加バイパス術(EIA-graft) 1例
血管再生治療 2例
急性動脈閉塞 18例
下肢血栓除去術 5例
下肢血栓除去術+PTA 11例
上肢血栓除去術 1例
上腕動脈バイパス 1例
動脈瘤 34例
胸部大動脈瘤ステントグラフト内挿術(緊急) 2例
腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術
うち同時コイル塞栓
21例
2例
腹部大動脈SG内挿術後中枢ネックbanding 1例
大腿動脈瘤 5例
医原性大腿仮性動脈瘤トロンビン注入 1例
膝窩動脈瘤 3例
橈骨動脈瘤(感染による仮性瘤) 1例
下肢静脈瘤手術 38例
ストリッピング術 1例
血管内焼灼術 30例
その他(高位結紮など) 7例
バスキュラーアクセス手術 159例
内シャント造設術 74例
人工血管シャント造設術 3例
静脈-静脈バイパス 1例
動脈表在化 5例
永久留置カテーテル挿入 9例
シャント感染 2例
シャント閉鎖 2例
シャント血栓除去 2例
シャント血栓除去+PTA 4例
シャントPTA 54例
その他 3例
血管内治療 87例
経皮的血管拡張術/ステント留置術 84例
IVCフィルター留置および抜去 2例
EVAR前コイル塞栓術 1例
その他
(下肢切断、ECMO抜去、創感染手術、動脈尿管ろうなど)
27例
血管造影検査 45例

トピックス

学会認定施設

心臓血管外科専門医認定機構認定修練施設(基幹施設)
日本脈管学会脈管専門医修練指定施設

医療関係のみなさんへ

1. 血管外科の実績

2. 出張手術指導、講演、症例相談

我々は日々血管外科の発展を願っています。当院のみならず日本のあらゆる医療施設で適切に血管診療が行われなければならない、そのために貢献できるなら我々の持っている知識や技術を出し惜しみすることなく伝えていきたいと思っています。日々の診療でお困りの医療機関の方々がいらっしゃれば、出張、電話相談、講演などいろんな形でお力になれればと考えています。
ぜひ、ご遠慮なくメールでお問い合わせください。

vascsurg@takii.kmu.ac.jp 担当:駒井宏好

3. 北河内連携フットスキャン

4. 血管外科に興味のある医師、医学生のかたへ<研修のご案内>

当科は関西医科大学外科学講座のなかの一診療科として診療・教育・研究に携わっています。血管外科、血管診療に興味のある先生はぜひ一度我々の病院に見学に来てください。日常の診療のようす、手術や血管内治療、病院の設備、診療システムなどを見ていただき、ここで勉強したい、と思われる方は遠慮なくご相談ください。短期見学、長期国内研修、専門医取得のための研修、入局、関連病院出向など様々な形で先生方の血管病診療の研修にお役立ていただけるよう考慮いたします。また血管外科をやっていくうえで必要な資格(外科専門医、脈管専門医、心臓血管外科専門医など)は当科に所属していても外科学講座、関連各科と連携して取得できるようにしております。我こそは、と思われる方はぜひご連絡ください。

連絡先:関西医大総合医療センター 血管外科 駒井宏好
Email: komaihir@takii.kmu.ac.jp

5. 透析施設関係者のみなさまへ(下肢末梢動脈疾患指導管理加算に係る連携について)

先日発表されました平成28年医科診療報酬改定の厚生労働省公示によりますと新たに下肢末梢動脈指導管理加算が新設され「人工腎臓を実施している患者に係る下肢末梢動脈疾患の重症度等を評価し、療養上必要な指導管理を行った場合には、下肢末梢動脈疾患指導管理加算として、月1回を限度として所定点数に100点を加算する。」となっております。この点数加算の要件として施設基準を定めておりその項目として「(足病変の可能性のある患者を発見した場合は)専門的な治療体制を有している医療機関へ紹介を行っていること」「専門的な治療体制を有している医療機関をあらかじめ定めたうえで、当該医療機関について事前に届け出を行っていること」「当該医療機関について、院内掲示をすること」があります。
当科は2013年の新設以来一貫して閉塞性動脈硬化症の治療を主体に診療を続けております。年間約90例以上の動脈疾患手術、30例以上の血管内治療に加え保存的治療、監視下運動療法、創傷治療などを集学的に行ってきております。また循環器内科、心臓外科、腎臓内科、整形外科、形成外科、皮膚科、リハビリテーション科、放射線科などとも深い連携を築いております。また閉塞性動脈硬化症患者の足のみではなく全身の動脈硬化症のスクリーニングや看護師によるフットケアシステム、およびその地域版としての連携システムなどを確立してきております。
今回の診療報酬改定でこのような透析患者のフットケアに点数が新設されたことは我々の行ってきた「閉塞性動脈硬化症の足を守り命を守る」治療に大きな追い風となると期待しております。そこで透析患者の足病変の「受け皿」として本要件に定められた連携専門医療機関として広く透析施設からのご要望にお応えしようと準備しております。もし足病変の専門医療機関として当院との連携をお考えの医療機関の先生方はどうぞご遠慮なく我々にご相談ください。可能な限りお受けするつもりでおります。

関西医科大学総合医療センター 地域医療連携部
または 血管外科 駒井(内線PHS 41701)

ぜひ皆様の医療機関の透析患者の足を大切断から救い、生命予後、QOLを改善するという大事業に我々との連携をお選びいただきたく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

6.「第五回関西血管外科基本手技ビデオセミナー」のご案内

来たる平成31年1月19日に恒例の関西血管外科基本手技ビデオセミナーを行います。
併施して14時よりVascular Surgery Expert Meetingも行いますので合わせてご参加ください。
詳細はこちら⇒ KVVS2019 1st
募集要項はこちら⇒募集要項
第三回関西血管外科基本手技ビデオセミナー⇒ 報告書
第二回関西血管外科基本手技ビデオセミナー⇒報告書

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