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トピックス 2023/10/18 血管外科

バイパス術で下肢閉塞性動脈硬化症による下肢切断回避

下肢閉塞性動脈硬化症重症例の血行再建の方法と予後

閉塞性動脈硬化症の最重症例である包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)は足の末端の傷が治らず下肢切断に至る可能性が高い状態です。身体に優しい血管内治療(カテーテル治療)による血行再建がもてはやされてきましたが、この度国際的な研究により、長期の予後はカテーテル治療よりもバイパス術のほうが有利であることが証明されました。
我々の施設では以前より積極的にバイパス術を取り入れてきましたが、どうしても手術が乗り越えられない症例には血管内治療を、と使い分けを重視してきました。その結果、図のようにどちらの治療法でもよい結果を得ることができました。長年の経験より、患者さんに合った適切な方法での治療が奏功していると考えています。

透析患者のバイパス術

透析患者は全身状態や血管の性状が悪く、バイパス術は危険で効果が少ない、と考えられがちですが、我々の施設での長期成績では透析例でも非透析例と変わらない、良い下肢切断回避率が得られています。カテーテル治療では太刀打ちできない症例でもいろいろな工夫を凝らしたバイパス術で足を救える患者さんが少なくありません。