痛みを緩和するための専門的な治療提供体制について
神経ブロック
がんの痛みに対する治療は、内服薬や注射などの薬物を使用した治療が主軸です。
しかし「飲み薬が増えてしんどいのに痛みがつらい」「吐き気や眠気(副作用)がつらくて薬が増やせない」など、薬物だけではコントロールが難しい場合があります。
当科では、がんの痛みを抱える患者さんに対し適応を判断したうえで神経ブロックを行っています。
1.神経ブロックとは
神経ブロックは、痛みの原因となる神経の近く(又は直接))に局所麻酔薬、神経破壊薬を作用させ、一時的あるいは長期間にわたり神経機能を停止させ痛みを軽減することを目的とした治療法です。
また超音波を用いて、痛みを感じる神経に高周波を当てることで神経を破壊する方法である「高周波熱凝固術」や神経の過敏性を和らげる「パルス高周波治療」も行っております。
2.神経ブロックの適応
・鎮痛薬や、そのほかの鎮痛補助療法で十分な鎮痛効果が得られない場合
・鎮痛剤の副作用が強く、十分な全身投与が行えない場合
・比較的体の一部に限局した痛みの場合
3.治療のながれ
【当院に通院中の方、当院以外の医療機関から紹介された方】
主治医またはかかりつけ医にご相談いただき、当院のペインクリニック・緩和ケア外来の予約を取ってください。その後ペインクリニック担当医、当院の緩和ケアチームと放射線科担当医が適応や方法を判断し、施行予定日を決定し、入院手続きを行います。

4.他院からの依頼方法について(医療関係者の方へ)
・地域医療連携部を通して、ペインクリニック・緩和ケア外来の予約を取得下さい。
・診察の結果、神経ブロックの適応がない場合もございます。予めその旨を患者様へお伝えいただきますようお願いいたします。
緩和的放射線治療
放射線治療には①根治目的の放射線治療(根治的放射線治療)と、②苦痛緩和を目的とした緩和照射(緩和的放射線療法)の二種類があります。
②緩和的放射線治療の目的は、がんの進行による痛みなどの苦痛の軽減や、生活の質の維持・改善です。
(がん診療における「緩和的放射線治療」の積極的な活用に向けて 提言書より)
放射線治療を受けるには
◎当院に通院中・入院の場合
主治医にご相談ください。適応について検討し、放射線科へ依頼させていただきます。
◎他院の場合
かかりつけ医へご相談ください。
他院からの依頼方法について(医療者向け)
地域医療連携部を通して、放射線科の予約をお願いします。
症状や病勢等によっては、当院の該当診療科を先に受診いただく場合がございます。
疼痛に対するIVR治療(画像下治療)
がんによる痛みは、飲み薬や注射などの薬物療法が基本となりますが、それだけでは十分に痛みが取れない場合や、薬の副作用(眠気や吐き気など)で増量が難しい場合があります。当科では、放射線科の専門技術を活かした「IVR(アイ・ブイ・アール)」という方法で、痛みを和らげる治療を行っています。
IVRとは?
IVR(Interventional Radiology)とは、X線(レントゲン)、CT、超音波(エコー)などの画像診断装置で体の中をリアルタイムに確認しながら、細いカテーテルや針を使って行う治療です。「切らない手術」とも呼ばれ、体への負担が少なく、ピンポイントで痛みの原因にアプローチできるのが特徴です。
当科で行っている主な痛みへのIVR治療
①ラジオ波焼灼療法(RFA)
骨盤内の大きな腫瘍や骨転移による痛みに対して行われます。
治療の方法:画像で確認しながら、皮膚から痛みの原因となっている腫瘍に特殊な針を刺します。針の先端からラジオ波を流して熱を発生させ、腫瘍を焼いて死滅(凝固壊死)させます。
期待できる効果:神経を圧迫・刺激している腫瘍を小さくすることで、速やかに痛みを軽減します。
②動脈塞栓術
骨盤内の大きな腫瘍や、血流が豊富な転移がんによる痛みに対して行われます。
治療の方法:足の付け根などの血管から細い管(カテーテル)を通し、腫瘍に栄養を運んでいる血管まで進めます。そこで、血管を詰め物でふさぎ、腫瘍への兵糧攻めを行います。
•期待できる効果:腫瘍を縮小させたり、腫瘍が神経を圧迫する勢いを弱めたりすることで、拍動を伴うようなズキズキとした痛みや圧迫痛を改善します。
③神経ブロック(前述)も画像を用いるIVR治療に含まれます。
治療の適応と流れ
これらの治療は、患者さんの全身状態や痛みの部位、これまでの治療経過を総合的に判断して行います。
適応の判断:鎮痛薬の効果が不十分な場合や、特定の部位に痛みが集中している場合に検討されます。当院の放射線科医(IVR担当医)と緩和ケアチームが連携しながら治療の可否を判断します。
受診方法:
当院に通院中の方:まずは主治医にご相談ください。放射線科のIVR担当医が適応を検討いたします。
他院に通院中の方:かかりつけ医にご相談いただき、地域医療連携部を通じて「放射線科(IVR)外来」または「ペインクリニック・緩和ケア外来」の予約をお取りください。