がん遺伝相談「相談実績例」
CASE 1
家族がんリスク評価
乳がん患者さんとご家族
BRACAnalysisで生殖細胞系列のがん遺伝子変異がみつかり「兄と妹がおり、無症状であるが、どこか受診した方がよいか」?
説明内容:
家族歴を確認。家族・血縁者の発症のリスク、スクリーニング検診開始の年齢、頻度、対象臓器の説明、生殖細胞系列変異確認検査(世代を超えて遺伝しうるがんのリスクを調べる検査)のメリット・デメリットをご説明いたしました。
CASE 2
全身がんリスクのスクリーニングサーベイ
前立腺がん患者さん
かかりつけで去勢抵抗性転移性の前立腺がんと診断されている。BRACAnalysisで生殖細胞系列のBRCA2遺伝子が陽性と言われた。兄が前立腺がん発症しており、「自分に多発がんリスクはないか?」と心配している。
説明内容:
家族歴、発症年齢を確認。その情報を基に、ご自身、そして家族・血縁者のがん発症のリスクと、そのスクリーニング検診の計画(開始時期、検査法、頻度)、ご説明いたしました。家族・血縁者も同じリスクを持っているか否か、の遺伝学的検査(BRCA1/2シングルサイトシークエンス)についても情報をご提供しました。
CASE 3
治療薬選択のための遺伝学的検査
大腸がん患者さん
手術標本から抽出したゲノムDNAを用いた検査で、がん発症の素因となり得る変化(マイクロサテライト不安定性、腫瘍遺伝子変異量の高スコア(Tumor Mutation Burden、TMB-High)など)が見つかった。「今後治療薬選択する上で、どのような遺伝学的検査が有用ですか」?
説明内容:
家族歴、罹患状況を確認。マイクロサテライト不安定性、腫瘍遺伝子変異量の意義、その背景にどのような遺伝子変異が関与しうるか?リンチ症候群遺伝学的検査(MSH1、MLH2、MLH6、PMS2、EPCAM)について、検査を受けるメリット、デメリットの双方についてご説明しました。
CASE 4
がんリスクが遺伝しうるか?(生殖細胞系列変異の有無)
子宮がん患者さん
30歳代で子宮がん肉腫と診断されて、手術・化学療法中。がん組織を用いたパネル検査でTP53のバリアントが検出されていた。健常な妹がいる。血縁者に、骨肉腫に罹った方や乳癌や肺癌に罹った方が複数人いた、と聞いています。
「血液を用いた追加検査(生殖細胞系列の遺伝子変異の検査)は、自分、あるいは家族の健康管理に役立ちますか?」
説明内容:
家族歴を聴取して、罹患状況を確認。TP53遺伝子バリアントの意義を説明。さらに今回体細胞(腫瘍組織)で検出されているTP53バリアントの、生殖細胞系列における有無を調べることのメリットとデメリットについてお話しさせていただきました。また、具体的にリー・フラウメニ症候群遺伝学的検査(TP53シングルサイトシークエンス確認検査)について、資料をお渡ししました。
仮に生殖細胞系列変異(世代を超えて遺伝しうるがんのリスク)が確認された場合でも、定期スクリーニング検診で早期発見が可能であることをお伝えしました。