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中央診療施設部術中脳・脊髄・神経モニタリングセンター(手術部)

概要

患者のみなさんへ

近年手術機器の発展に伴い、より難易度の高い手術が施行されるようになってきており、術中に種々の神経系に障害が生じる危険性を有する手術が施行される機会も増えてきています。
神経障害が生じた場合には、手術部位により患者さんの脳機能、四肢の運動機能や排尿機能、排便機能を含む様々な神経機能が高度に障害される危険性があります。術中の神経損傷をできる限り回避しより安全な手術を施行するために、それぞれの神経に応じた誘発電位を測定して手術操作中に神経障害を回避する術中神経モニタリングを施行する事が行われています。
現在、脳神経外科、整形外科、心臓血管外科、麻酔科、消化管外科、耳鼻科、産婦人科、腎泌尿器科等の各科の手術で手術中に神経障害が生じる危険性が存在すると言われています。当センターでは手術担当科、麻酔科を含めた関連科並びに術中モニタリング担当者が協力して術中神経モニタリングを行い、患者さんの術後神経機能保持に努めて参りたいと思います。

特色・強み

本センターでは、運動機能の評価として運動誘発電位、感覚機能の評価として体性感覚誘発電位、排尿排便機能の評価として球海綿体反射を主に用いて術中神経モニタリングを施行しています。更に毎月委員会を開催し、モニタリングが必要な症例に対して適切なモニタリング法を選択する症例検討も行っております。

また当院では、術中神経モニタリングの普及やレベルの向上を目的として年に1回、日本臨床神経生理学会主催の術中脳脊髄モニタリングセミナーを開催しています。また、日本脊椎脊髄病学会モニタリング委員会においてもモニタリングハンズオンセミナーを受講できる日本での14施設の中の1つとして指定されております。

主な対象疾患

  • 脳腫瘍
  • 脳動脈瘤
  • 脊髄腫瘍
  • 頸椎疾患
  • 胸椎疾患
  • 脊柱側弯症
  • 頭頚部腫瘍
  • 大動脈瘤
  • 骨盤内腫瘍
  • 後腹膜腫瘍

各種実績

診療実績(2023年度版)
術中神経モニタリング施行症例 各科合計186例
脳神経外科
 脳腫瘍 87例 
 血管障害 29例
 顔面痙攣 4例
 三叉神経痛 3例
 悪性リンパ腫 3例
 ラトケ嚢胞 2例
 脊髄脂肪腫 1例
 脊髄係留症候群 12例
 脊髄空洞症 1例
 くも膜嚢胞 2例
 類表皮嚢胞 1例
145例
整形外科
 脊椎脊髄腫瘍 12例
 胸椎後縦靭帯骨化症 4例
 胸椎黄色靱帯骨化症 2例
 脊椎除圧固定術 16例
 キアリ奇形 1例
35例
耳鼻咽喉科
 頸部腫瘍 4例
循環器外科
 下行大動脈瘤 1例
消化管外科
 後腹膜腫瘍 1例