中央診療施設部ロボット手術推進センター(手術部)
概要
患者のみなさんへ
2012年前立腺全摘出術に対して、DaVinci によるロボット支援腹腔鏡手術が保険収載されて以来、2014年に腎癌に対する腎部分切除術、2018年には胸部から直腸に至る術式が、保険収載されました。その後も2022年には、喉頭、咽頭、肺、食道、縦郭、胃、すい臓、肝臓、副腎、腎、腎盂尿管、膀胱、前立腺、骨盤内臓脱、子宮など、腹腔鏡手術で行われているメジャーな手術のほとんどがロボット支援手術として保険収載されました。 かつて、開腹手術から腹腔鏡手術へと、一気にシフトしていった状況に似たものがあります。
当院では、腎泌尿器外科手術(前立腺癌、腎癌、膀胱癌、骨盤臓器脱)を中心に1,500例を超えるロボット支援手術を行ってきたことから、手術室スタッフ、麻酔科医師も、ロボット支援手術を熟知しています。
2023年12月にDaVinci Xiを導入、2024年3月にhinotoriを導入し、従来のDaVinci Siと3台体制でロボット支援手術を推進します。
腎泌尿器、上部消化管、下部消化管だけではなく、肝臓、呼吸器もロボット支援手術を開始します。
最近では整形外科でも股関節、膝関節の手術支援ロボットを導入し、常に最先端の手術の提供を目指しています。
ロボット手術推進センターは、各科のロボット支援手術が安全に、スムースに導入・維持されるのを推進・支援していく部門です。
特色・強み
腎泌尿器外科
2013年にロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘出術を導入以来、腎泌尿器外科では1,500例を超える多数のロボット支援手術を行ってきました。この間、重篤な合併症は1%以下です。ロボット支援腎盂形成術、ロボット支援膀胱全摘出術、仙骨固定術、腎摘出術を開始し、腎泌尿器外科の主要な手術のほとんどがロボット手術で行われる時代になってきています。 大勢の患者さんに安全で質の高い手術の提供を常に目指しています。
消化管外科
【食道摘除術】 食道は心臓など命に直結する臓器の中心を走っているため、手術には高度な技術が必要です。当院は、ロボット食道がん手術のプロクター(手術指導医)の認定を受けた術者が在籍し、日本における指導的な立場を担っています。
【胃切除術】 ロボット手術を幽門側胃切除だけでなく、噴門側胃切除や胃全摘にも実施しています。特に周囲臓器に高度に浸潤したような胃がんにその有用性を発揮すると考えています。
【直腸切除術】 ロボット手術によって合併症が減るなどその有用性が高く評価されつつあり、腹腔鏡手術で培われてきた経験を生かしさらに安全で確実ながん治療を提供していきます。
整形外科
【脊椎手術】
脊椎手術支援ロボットを導入し、手術適応を徐々に拡大しております。脊椎支援ロボットとは脊椎固定術において人間の手で行う手術手技をサポートしてくれる機械です。脊椎固定術とは、変性または変形した脊椎を脊椎固定用材料で固定し安定性を高めることで脊椎由来の痛みを改善させる手術です。
主な対象疾患
【腎泌尿器外科】
- 前立腺癌
- 腎細胞癌
- 膀胱癌
- 腎盂尿管狭窄症
- 骨盤臓器脱(膀胱瘤)
【消化管外科】
- 食道癌
- 胃癌
- 直腸癌
【整形外科】
- 脊椎の手術
各種実績
- 診療実績(2023年度版)
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ロボット支援前立腺全摘除術 130例 ロボット支援膀胱全摘 15例 ロボット支援腎部分切除術 47例 ロボット支援腎摘除術 7例 ロボット支援仙骨固定術 17例 ロボット支援食道がん手術 7例 ロボット支援胃がん手術 3例 ロボット支援直腸・結腸手術 21例