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中央診療施設部臨床遺伝センター

概要

患者のみなさんへ

当センターではゲノム情報に基づいた最適な個別化医療をご提供するために、各専門診療科の主治医と緊密な連携をとりつつ、「遺伝学的検査を実施、解釈」して、「遺伝カウンセリング」をご提供することを、主目的として診療を行っています。
遺伝カウンセリングでは、遺伝に関わる悩みや不安、疑問などを、傾聴しつつ、科学的根拠に基づく正確な医学的情報を分かりやすくお伝えします。
これらの情報をご理解頂いた上で、意思を尊重した自由な選択決定ができるよう支援し、さらに具体的な健康管理の予防プランをご提案しています。
対象は、がん、難病を始め、出生前~妊娠、小児~成人疾患まで、幅広く、患者様のみならず、ご家族も含まれます。
具体的には「がんゲノム検査で有効な治療薬があるか?」「家族内にがんや難病の方がいるが、検査を受けるべきか?」「次の子どもの発症リスクは?」「高齢妊娠で染色体異常が心配」などに対応しています。

特色・強み

遺伝カウンセリングを通して、遺伝性疾患がもたらす医学的、心理的、家族への影響や問題を理解し、最良の意思決定ができるよう、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーがサポートしています。
7分野の専門領域の臨床遺伝専門医(内科[循環器腎内分泌代謝内科、神経内科]、外科[乳腺外科、耳鼻咽喉科・頭頚部外科、腎泌尿器外科]、産婦人科、小児科)と、認定遺伝カウンセラー(2名)が、診療科主治医と連携して、個人の遺伝学的情報に基づく、最適な個別化医療(診断・治療・予防)をご提供しています。
臨床遺伝センターの場所は、附属病院3階K7(耳鼻咽喉科・頭頸部外科)の向いです。

遺伝について患者さんやご家族は、さまざまな悩みや不安を抱えていることもあります。一人一人のゲノム情報に基づいた遺伝学的検査の結果をわかりやすく説明し、理解と安心が得られるように、心理、社会的面からも支援を行っています。また、遺伝情報は、時に家族間で情報を共有する必要があることから、患者さんのみならず、支援者であるご家族の相談にも対応いたします。

多様化するニーズにお応えするため、各専門診療科の主治医、臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラーが、情報を共有しつつ緊密に連携することで、どの領域においても最良のカウンセリングをご提供することに努めています。

出生前遺伝学的検査(コンバインド検査など)については、女性診療科にて周産期遺伝カウンセリング外来を開設しております。

主な対象疾患

  • がんに関する遺伝相談:ご家族にも発症があり遺伝性が疑われる例。がんの種類、年齢は、問いません。治療薬の選択に役立つ遺伝学的検査の実施と結果の説明。発症のリスクと予防法について。
  • 難病に関する遺伝相談:根本的治療法がなく、長期に療養を要する疾患(指定難病 338疾患、小児慢性特定疾患 16 疾患群、788 疾病) それ以外でもかまいませんし、臓器、年齢を問いません。
  • 妊娠に関する遺伝相談、お子さんの発症リスク、お母さんの合併症のリスクの説明。出生前に診断する検査(遺伝学的検査、超音波検査、羊水検査)の内容、適応、結果説明、健康管理について。
  • 若年発症、あるいはご家族にも発症者を認める視力障害(角膜、網膜)、難聴
  • 若年発症、あるいはご家族にも発症者を認める心不全(心筋症)、不整脈、大動脈瘤
  • 若年発症、あるいはご家族にも発症者を認める腎不全(ネフローゼ、腎炎多発性嚢胞腎、間質性腎炎等)
  • 若年発症、あるいはご家族にも発症者を認める糖尿病
  • 若年発症、あるいはご家族にも発症者を認める脳血管障害(脳卒中、動脈瘤)、運動障害(脊髄小脳変性、ニューロパチー)
  • 原因不明の重症新生児例、発達障害、等。

各種実績

診療実績(2022年度版)
出生前・着床前遺伝カウンセリング 344
 出生前遺伝カウンセリング 344
 着床前遺伝カウンセリング 0
小児・成人期の遺伝カウンセリング 271
 遺伝性腫瘍の遺伝カウンセリング 185
 染色体異常関連の遺伝カウンセリング 5
 遺伝性難病等の遺伝カウンセリング 81

学会認定施設

全国遺伝子医療部門連絡会議 維持機関会員施設として参加(日本人類遺伝学会,日本遺伝カウンセリング学会および日本遺伝子診療学会の後援)

代表者: 塚口裕康
全国遺伝子医療部門連絡会議は、遺伝子医療部門の存在する高度医療機関(大学病院、臨床遺伝専門医研修施設、等)の代表者により構成され、わが国の遺伝子医療(遺伝学的検査および遺伝カウンセリング、等)の充実・発展のための活動を行っています。
http://www.idenshiiryoubumon.org/list/index.html

日本人類遺伝学会、日本遺伝カウンセリング学会による
・臨床遺伝専門医制度研修施設 

認証期間: 2020年12月1日〜 2025年3月31 日
責任指導医:岡田英孝
北河内地域唯一の研修施設として、臨床研修や定期的なカンファレンス開催等を通じ臨床遺伝専門医の研修に携わっています。これまでに3名の医師が臨床遺伝専門医に認定され、現在は7名の臨床遺伝専門医が在籍しています。
http://www.jbmg.jp/list/kenshu.html

一般社団法人 日本遺伝性乳癌卵巣癌症候群総合診療制度機構による
・遺伝性乳癌卵巣癌総合診療基幹施設

認定期間: 2022年4月1日〜 2025年3月31日
診療責任者: 杉江知治
https://johboc.jp/shisetsunintei/shisetsulist/#tablepress-17

日本医学会 出生前検査認証制度等運営委員会による
・NIPTを実施する医療機関(基幹施設)

認証期間: 2022年7月1日〜 2027年9月30 日
実施責任者:産科婦人科学講座 吉田彩
https://jams-prenatal.jp/file/ninsyoiryokikan_20230328.pdf

日本産科婦人科学会による
・不妊症および不育症を対象とした着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)実施施設
・不妊症および不育症を対象とした着床前胚染色体構造異常検査(PGT-SR)実施施設

認証: 2022年3月30日〜
https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/PGT-A_rinshousankashisetsu_20230612.pdf

日本産科婦人科学会による
・重篤な遺伝性疾患を対象とした着床前遺伝学的検査実施施設

認証: 2022年7月27日〜
https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/PGT-M_rinshousankashisetsu_20230530.pdf