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リハビリテーション科

疼痛に対するリハビリテーション治療では、身体機能の異常を改善することにより痛みを緩和し、動作・活動レベルの向上、生活の質の改善を目的としています。その方法は、「運動療法」と「物理療法」が中心となります。 日常的に痛みを避ける動きを繰り返していると、本来働くべき筋肉が使われなくなり、血流障害や柔軟性の低下により慢性的な痛みを引き起こします。近年の慢性疼痛治療に対するリハビリテーションにおいて、運動療法(筋力増強訓練やストレッチングなど)がより有用な手段であると考えられています。患者さん1人1人の状態に合わせた治療プログラムを考案し、ホームエクササイズと組み合わせながら痛みの軽減を図ることで、「痛みがあっても動ける」という成功体験につながり、身体機能を向上させます。
また、当院のリハビリテーション科では、表面筋電図や三次元動作解析機器等を使用した機能評価に基づくリハビリ介入を行っています。回復過程における外見上の動作の変化を裏付けるためのツールとして有用です。

診療

からだの評価

痛みの要因になるような、神経、筋肉、骨、関節といった組織の異常や、 筋力、バランス、持久力といった機能の低下がないかを評価します。

日常生活動作の評価

痛みに考慮した道具の使用や生活動作方法を提案します。

有酸素運動

トレッドミルでの歩行や自転車エルゴメータといった有酸素運動には、痛みや軽微な炎症を抑える物質を放出を増やすことで、痛みを抑制する効果があるといわれています。また、持久力が向上することで日常生活に余力が生まれ、仕事や趣味の幅を広げることも目的としています。

物理療法

物理療法で痛みの緩和をはかりながら、運動療法へとつなげることを目的に使用しています。

温熱療法
ホットパックや超音波治療機器を使用します。リラクゼーション効果、血行改善、筋緊張緩和効果があります。

電気療法(TENS)
痛みを生じさせる刺激にとは別の刺激である電気刺激を与えることで痛み刺激を抑制する効果(ゲートコントロール理論)とともに、痛みを抑制する物質(内因性オピオイド)の放出を促進する効果、痛みを抑える神経経路(下行性疼痛抑制系)の働きを強める効果があるといわれています。