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腎泌尿器系疾患

疾患一覧

疾患名 病状 当院関連診療科
IgA腎症 IgA腎症は、小児では学校検尿で偶然蛋白尿や血尿を指摘されることが多く、初期は無症状です。腎臓の糸球体に免疫グロブリンのIgAという蛋白が沈着する病気で多くは慢性の経過をたどり、進行すると腎機能が低下し、高血圧の合併や腎不全にいたります。一部の患者さんでは、感冒時に、コーラのような色の血尿(肉眼的血尿)を認めます。治療は、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、副腎皮質ステロイド薬、免疫抑制薬、口蓋扁桃摘出術などがあります。

腎臓内科

小児科

アルポート症候群 アルポート症候群(Alport症候群)は慢性腎炎、難聴、眼合併症を呈する症候群で、末期腎不全へと進行します。遺伝性の疾患で腎臓の糸球体という部分を構成する4型コラーゲンのα3鎖、α4鎖またはα5鎖をコードしている遺伝子に異常がある場合発症します。現在のところ根治的治療法はありませんが、末期腎不全への進行を抑えるために、アンジオテンシン変換酵素阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬の内服による腎保護に焦点を当てた治療を行います。

小児科

一次性ネフローゼ
症候群
ネフローゼ症候群とは、尿に蛋白がたくさん出てしまうために、血液中の蛋白が減り(低蛋白血症)、その結果、むくみ(浮腫)が起こる疾患です。小児では20000人に1人発症します。小児では原因不明の一次性ネフローゼ症候群がほとんどで、90%が腎臓の組織に異常を認めない、微小変化型です。治療にはステロイドがよく効きますが、ステロイドや免疫抑制薬を減量すると再発を繰り返すことが多いです。微小変化型ネフローゼ症候群の場合は、腎臓の機能が低下することは少なく成人期に改善します。

腎臓内科

小児科

紫斑病性腎炎 紫斑病性腎炎は、紫斑(紫紅色~暗紫褐色の点状~斑状の皮下出血)を伴い発症するIgA血管炎(ヘノッホ・シェーライン紫斑病)の約50%に合併します。小児に多く、年間10万人あたり約20人発症することが報告されています。体内の小さな血管(毛細血管)にIgAという免疫グロブリンが沈着することにより発症し、毛細血管の多い腎臓では腎炎をきたします。多くは無症状(血尿のみ)で自然に治りますが、ネフローゼ症候群(8%)や急性腎炎症候群(15%)の病型を呈する例では副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬を用いた治療が必要です。

腎臓内科

小児科

間質性膀胱炎
(ハンナ型)
間質性膀胱炎は頻尿・尿意切迫感・膀胱痛を主症状とする膀胱の非特異的炎症性疾患です。重症化すると膀胱が小さくなることがあります。普通の細菌性膀胱炎に症状が似ているのですが、尿検査所見が正常であることが多いため、神経性頻尿など正しく診断されないということが時々あります。診断には臨床症状のほかに、内視鏡検査が必要です。治療としては麻酔下膀胱水圧拡張術が行われ、食事指導など行動療法や内服治療を組み合わせてみていきます。難病指定のハンナ型間質性膀胱炎は重症化すると上記の治療に難治性のことが多くなるので、一人で悩まずに早めにご来院いただくのがよいと思います。

腎泌尿器外科