神経・筋疾患
疾患一覧
疾患名 | 病状 | 当院関連診療科 |
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筋萎縮性側索硬化症 | 筋萎縮性側索硬化症は、脳や脊髄から筋肉へと運動の命令を伝える運動神経細胞が死滅してしまう病気です。そのため、筋肉が少しずつ痩せ、手足を動かすことが困難となり、全身の麻痺に至ります。さらに会話、物の飲み込み、呼吸も次第に不可能になっていく進行性の病気です。 | |
進行性核上性麻痺 | 一般に歩行時のふらつきや転びやすさで気付かれることが多い疾患です。転倒して顔面を受傷することがしばしばみられます。足がすくんで前に出にくくなったり(すくみ足)、歩行がだんだん速くなって止まれなくなったり(加速歩行)といった歩行異常もみられます。さらにある程度進行すると眼球の随意運動が障害されてきます。リハビリテーションで筋力を維持したり、転倒を予防したりすることが大切です。 | |
パーキンソン病 | 50歳以上で起こる病気で、60歳以上では100人に1人の頻度です。動作が鈍くなる動作緩慢、静止時の手足のふるえ(振戦)、筋強剛(筋固縮)、姿勢保持障害が主たる運動症状ですが、便秘や嗅覚低下などの非運動症状が動作緩慢や振戦に先行して発症することがあります。ドパミンを補充する薬で症状を和らげる治療を行います。 | |
大脳皮質基底核 変性症 |
動作が鈍くなる動作緩慢や歩行障害に加えて、手が思うように動かせない、ぎこちなくなるといった症状が徐々に進行する病気です。身体の左右どちらか一方に症状が強いのも特徴です。60歳代で発症することが多く、脳の画像検査では前頭葉から頭頂葉にかけて左右どちらか一方の萎縮が目立つ傾向があります。 | |
重症筋無力症 | 重症筋無力症は、筋肉が弱くなる病気で、特に同じ筋肉を何回も動かしていると次第に力が出なくなるのが特徴です。まぶたが下がる、物が二重に見えるなどの眼の症状を起こしやすい特徴があります。神経と筋肉の接ぎ目(神経筋接合部)において、筋肉側の受容体が自己抗体により破壊される自己免疫疾患です。 | |
多発性硬化症/ 視神経脊髄炎 |
多発性硬化症は、脳や脊髄、視神経に病巣ができ、様々な症状が出現し、症状が出現する再発と症状が治まる寛解を繰り返します。血清中に存在する抗アクアポリン4抗体の発見により、多発性硬化症と言われた中に、視神経脊髄炎という病態が存在することが明らかになりました。 | |
慢性炎症性脱髄性 多発神経炎/ 多巣性運動 ニューロパチー |
慢性炎症性脱髄性多発神経炎とは、末梢神経に炎症が起こり、このために筋力の低下や感覚の障害をきたす病気です。症状が一旦治まるものの再発を繰り返すことと、症状が徐々に進行することがあります。原因は現在もなお不明ですが、異常な免疫反応により、神経線維を覆う膜構造が破壊されることで色々な症状が出現すると考えられています。 | |
多系統萎縮症 | ➀動作が鈍くなるパーキンソン病のような症状、②起立や歩行時のふらつきや喋りにくさ等の小脳症状、さらには③立ちくらみや尿失禁などの自律神経症状が、様々な順序で組み合わさって発症してくる病気です。50歳代で発症することが多く、遺伝する病気ではありません。 | |
脊髄小脳変性症 (多系統萎縮症を除く。) |
脊髄小脳変性症は、後頭部の下にある小脳が障害されることにより、歩行時のふらつき、手の震え、手が上手に使えない、呂律が回にくいなどの症状が出現し、それが徐々に進行していきます。遺伝するタイプと遺伝しないタイプの病気があります。 | |
筋ジストロフィー | 筋ジストロフィーとは、身体の筋肉が壊れやすく、再生されにくいという症状をもつ、たくさんの疾患の総称です。症状が出始める年齢や、症状の出やすい場所は、疾患によって様々です。いずれも筋肉の機能に不可欠なタンパク質の設計図となる遺伝子に変異が生じたためにおきる病気です。 | |
脊髄空洞症 | 脊髄空洞症は、脊髄の中に脳脊髄液がたまり、脊髄を内側から圧迫することで上下肢の脱力、痛み、不快なしびれなどの症状をきたす病気です。生まれつき小脳の一部が脊柱管に落ち込んでいるキアリ奇形が原因となることが最も多いのですが、そのほかの原因でも起こります。後頭蓋窩減圧術は空洞くも膜シャント術などの外科的治療が症状の進行予防および改善目的で行われます。 | |
脊髄髄膜瘤 | 胎児期に神経管と呼ばれる脳脊髄の元となる組織がうまく形成されないことで生じる疾患です。背中に神経組織が露出した状態で生まれてきますので、出生後は通常2日以内に修復する手術が必要となります。ほかには水頭症、脊椎側弯、歩行障害、膀胱機能障害、排便障害などの症状があり脳神経外科、整形外科、泌尿器科、小児科、小児外科、リハビリテーション科などの包括的な治療が必要となります。 | |
前頭側頭葉変性症 | 前頭側頭葉変性症は、大脳のなかの前頭葉と側頭葉の神経細胞が少しずつ壊れていくことによって、いろいろな症状が出てくる認知症です。他人に配慮することができない、周りの状況にかかわらず自分が思った通り行動してしまう、同じ行動を繰り返してしまうといった性格変化や行動異常が目立ちます。 | |
結節性硬化症 | 結節性硬化症は皮膚、神経系、腎、肺、骨などいろいろなところに過誤腫と呼ばれる良性の腫瘍や過誤組織と呼ばれる先天性の病変ができる病気です。症状は人によって異なるため、診療科も様々です。例えば、腎泌尿器外科では、腎臓にできる良性の腫瘍性病変(筋血管脂肪腫)を診断・治療します。大きくなると、出血するリスクが高まるため、腫瘍を手術したり、血管造影の技術で、腫瘍塞栓を行います。薬剤により増殖を抑制することもあります。 | |
色素性乾皮症 | 露光部の皮膚にしみがたくさん生じ、皮膚が乾燥し、皮膚がんが普通の人の数千倍多く生じる病気で、半数以上の患者さんで神経症状が現れます。また多くの患者さんで日に当たると異常に激しい日焼けの反応が生じ、それが引くのに1−2週間かかります。 |