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免疫系疾患

疾患一覧

疾患名 病状 当院関連診療科
バージャー病 バージャー病は閉塞性血栓血管炎ともいわれ、50歳未満の主として男性の喫煙者に好発する四肢末梢動脈の閉塞性疾患です。しばしば疼痛を伴い壊死・肢切断に至ります。1日20本以上の喫煙歴があり、下肢では下腿や足部の動脈閉塞がみられ、上肢でも橈骨動脈や尺骨動脈の閉塞と遊走性静脈炎がみられ、喫煙以外の動脈硬化症のリスクファクター(高血圧症、脂質異常症、糖尿病)がない事が特徴です。治療の第一は禁煙です。禁煙出来れば病気は進行しない予後が良好な疾患です。まれに血行再建術として大腿-末梢動脈バイパス術が行われる事もあります。さらに最近では遺伝子治療としてHGF(コラテジェン)の注射薬が厚生労働省より認可され、保険収載されました。

血管外科

原発性抗リン脂質
抗体症候群
全身の動静脈に血栓を生じる疾患です。皮膚の動静脈に血栓が生じると皮膚が赤くはれたり、潰瘍ができてきたり、さらに重症な場合には黒く変色することがあります。

皮膚科

全身性
エリテマトーデス
幼少期からご高齢の方まで発症しうる難病ですが、特に10歳台〜40歳台の女性に発症しやすいという特徴を持っています。初期症状として腎炎(下肢のむくみ)・皮膚症状(両頬が赤くなったり、毛が抜けやすくなることがあります。日光に当たると赤くなったり、口がただれることがあります)・発熱などが多い傾向がありますが、それ以外の様々な臓器に症状が出ることも特徴です。ステロイドを含めた免疫抑制薬による治療が必須となります。

リウマチ・膠原病科

皮膚科

腎臓内科

皮膚筋炎/
多発性筋炎
筋肉、皮膚に症状のでる膠原病です。全身の筋肉痛や倦怠感、腕や足が上がりにくなるなど筋力低下の症状とともに、顔や体、手などに赤い発疹がみられます。内臓病変としては、ほぼ肺(間質性肺炎)に限局します。自己抗体の検査で、疾患パターン(肺病変が強い、腫瘍が合併しやすいなど)が推測できることも多いです。強力な免疫抑制治療を行う場合もあり、最初に病気になった時には多くの患者さんが入院での治療を必要とします。

リウマチ・膠原病科

皮膚科

シェーグレン症候群 唾液が出にくい、涙が出にくいなど目や口の乾きが出現する疾患です。皮膚症状では環状の赤い発疹や下肢に出血点がでることがあります。

皮膚科

成人発症スチル病 発熱や関節痛とともに、蕁麻疹のような赤い発疹がでてきます。発疹は熱とともに出たり引いたりします。

リウマチ・膠原病科

ベーチェット病 ベーチェット病とは口腔粘膜のアフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚症状(ニキビのような発疹や、下腿のしこりのある赤い発疹)、眼症状の4つの症状を主症状とする慢性再発性の全身性炎症疾患です。腸管潰瘍を起こしたときに腸管型ベーチェット病といい、腹痛、下痢、下血などを起こします。消化器肝臓内科では腸管型ベーチェット病の診療を行っています。

消化器肝臓内科

皮膚科

クリオピリン関連
周期熱症候群
NLRP3遺伝子変異を原因とし、発熱等の炎症が体質的におこってくる病気です。軽症型の家族性寒冷蕁麻疹、中等症のマックル-ウェルズ症候群、重症型のCINCA症候群/NOMIDの3症候群を含みます。

皮膚科

TNF受容体関連
周期性症候群
TNFRSF1Aの異常により、周期的に発熱を繰り返す遺伝性の疾患です。発熱に加えて筋痛・関節痛・発疹・目の周りのむくみや結膜炎・腹痛などの発作が認められ、3日から数週間に及ぶ比較的長期間の発作を繰り返すのが特徴です。

皮膚科

ブラウ症候群 皮膚と関節そして眼にサルコイドーシスと呼ばれる病気によく似た肉芽腫ができる病気です。

皮膚科

家族性地中海熱 発作性におこる発熱と腹部、胸部の疼痛や関節の腫れなどの症状が繰り返される遺伝性の病気です。

皮膚科

高IgD症候群 コレステロール生合成経路に関わるメバロン酸キナーゼ(MVK)の活性低下により発症する周期性発熱症候群である。血清IgDが高値である症例が多いことで命名がなされているが、本邦での初診時にIgDの上昇を認めないことが多く、診断には注意を要しています。

皮膚科

中條・西村症候群 子供の頃から発熱や赤い発疹などを繰り返す「自己炎症疾患」の1つです。徐々に顔や腕の脂肪が減ってやせていく「脂肪萎縮症」でもあります。

皮膚科

化膿性無菌性関節炎・
壊疽性膿皮症・
アクネ症候群
常染色体優性の遺伝形式をとる稀な自己炎症性疾患です。
病名のとおり、化膿性無菌性関節炎、壊疽性膿皮症、アクネ(ざ瘡・にきび)を特徴とする病気です。

皮膚科

IgG4関連疾患 臓器の腫大や結節・肥厚性病変などを認める原因不明の疾患で、血中IgG4値が上昇することが特徴です。主に膵臓、胆管、涙腺・唾液腺、腎臓、後腹膜などが侵されます。自己免疫機序の関与が考えられており、治療ではステロイドが使用されますが、減量や中断によって再発がみられる難治性の疾患です。
例えば、後腹膜線維化症がおこると、尿管が狭くなり腎臓が働かなくなるため、まずは尿管にカテーテルを入れて尿の流れを確保します。根本的な治療はステロイドの内服で、それが無効の場合は手術を行うことになります。
眼科領域では涙腺炎がよく知られていますが、他にも三叉神経腫大、外眼筋炎、視神経症、肥厚性強膜炎や、さらには鼻腔・副鼻腔や頭蓋内に伸展する症例などもあります。治療は眼科においても他臓器の病変と同様,副腎皮質ステロイドの内服が中心となり,ステロイド局所注射などが併用されることがあります。

消化器肝臓内科

腎泌尿器外科

眼科

遺伝性自己炎症疾患 遺伝子の異常を原因として(遺伝性)、体質的に発熱などの炎症症状がおこってくる病気(自己炎症性疾患)です。この項では、既に独立して難病に指定されている、クリオピリン関連周期熱症候群、TNF受容体関連周期性症候群、ブラウ症候群、家族性地中海熱、高IgD症候群、中條・西村症候群、化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群、を除いた疾患を対象とします。現時点で対象となるのはNLRC4異常症、アデノシンデアミナーゼ-2(Adenosine deaminase-2:ADA2)欠損症、エカルディ・グティエール症候群(Aicardi-Goutières Syndrome:AGS、A20ハプロ不全症の4疾患です。ただし、近年次々と新しい自己炎症性疾患が見つかっており、今後対象となる疾患が増えていく可能性があります。

皮膚科

好酸球性副鼻腔炎 白血球にはアレルギーに関係した好酸球という種類があります。元々副鼻腔炎(蓄膿症)とアレルギーは別々の病気ですが、近年副鼻腔炎の中でも好酸球を多く含む鼻茸が多発し、嗅覚障害と喘息を伴った難治性のタイプが増えており、好酸球性副鼻腔炎と診断されます。まだはっきりとした治療方法は確立されていません。

耳鼻咽喉科・
  頭頸部外科