皮膚・結合組織疾患
疾患一覧
疾患名 | 病状 | 当院関連診療科 |
---|---|---|
神経線維腫症 | カフェオレ斑,神経線維腫という皮膚の病変を特徴とし、そのほか骨、眼、神経系などに様々な病変を生じる遺伝性の病気です。 | |
天疱瘡 | 自分の上皮細胞を接着させる分子に対する抗体により、皮膚や粘膜に水疱(みずぶくれ)やびらんを生じる自己免疫性水疱症です。 | |
表皮水疱症 | 表皮~基底膜~真皮の接着を担っている接着構造分子が生まれつき少ないか消失しているため、日常生活で皮膚に加わる力に耐えることができずに表皮が真皮から剥がれて水ぶくれ(水疱)や皮膚潰瘍を生じてしまう病気です。 | |
膿疱性乾癬(汎発型) | 「乾癬(かんせん)」という皮膚病のうち、発熱や皮膚の発赤とともに「膿疱(のうほう~皮膚に膿がたまったもの)」がたくさん出現する病型を「膿疱性乾癬」と呼び、尋常性(じんじょうせい)乾癬(最も多いタイプの乾癬)と区別しています。 | |
スティーヴンス・ ジョンソン症候群 |
突然の高熱に続いて、全身の皮膚と粘膜に発疹と水ぶくれを生じる急性の病気です。どちらの疾患も、何らかの薬(たとえば感冒薬、解熱鎮痛薬、抗菌薬、抗てんかん薬)を服用後に発症することがほとんどであり、重症薬疹として位置づけられています。100万人に数人発症と頻度は低いですが、命にかかわるほど全身が重篤になることがあり、急性期には全身管理が主体となります。当院は重症薬疹診療拠点病院に認定され、各科が連携し診療を行っております。しかし、救命しても、しばしば高度の視力障害やドライアイが後遺症となり、社会復帰が難しくなることがあります。そのような後遺症を軽減するため、発症直後より適切な眼の治療を行うことが、とても大切です。 | |
中毒性表皮壊死症 | 高熱や全身倦怠感などの症状を伴って、口唇・口腔、眼、外陰部などを含む全身に紅斑(赤い斑点)や水疱(水ぶくれ)、びらん(ただれ)が広範囲に出現する重篤な疾患です。 | |
全身性強皮症 | この病気は、軽症であれば患者さん自身が気づかないような場合もありますが、重症であれば肺や循環器系に症状が強くでます。皮膚が硬くなることが特徴ですが、手の指などが特徴的です。皮膚が硬くなる症状よりも前から、指が白くなるレイノー現象という症状がみられることがよくあります。 | |
先天性魚鱗癬 | 先天的異常により皮膚のバリア機能が障害され、胎児の時から皮膚の表面の角層が非常に厚くなる病気です。出生時、あるいは、新生児期に、全身または広範囲の皮膚が厚い角質に覆われます。 | |
家族性良性慢性 天疱瘡 |
腋(わき)の下や股(また)などに水疱(すいほう)という水ぶくれができる皮膚病です。中年以降に発症することが多く、治ったと思っても繰り返し同じ部位に再発する治りにくい病気です。腋の下や股間、肛門のまわりなど日頃から摩擦が多い部分にほとんどの患者さんで発症し、高温・多湿、摩擦(まさつ)、感染などで皮膚症状が悪化します。ATP2C1という遺伝子の変異によって起こる病気ですが、くわしい発病のしくみは完全に解明されていません。 | |
類天疱瘡 (後天性表皮水疱症を 含む。) |
皮膚の表皮と真皮の境にある基底膜部のタンパクに対する自己抗体により、皮膚や粘膜に水疱(水ぶくれ)やびらん、紅斑(赤い皮疹)を生じる自己免疫性水疱症です。 | |
特発性後天性全身性 無汗症 |
エクリン汗腺のアセチルコリン受容体に対する自己免疫疾患である可能性が推測され、高温の環境下において容易に熱中症を発症し発熱、脱力感、疲労感、めまい、動悸などが生じます。 | |
弾性線維性仮性 黄色腫 |
弾性線維性仮性黄色腫は弾性繊維の変性などにより、皮膚・眼・心疾患に障害が起きる疾患です。眼に障害をきたす場合は網膜色素線条と呼ばれ、ブルッフ膜男性版の変性による断裂から、高率に続発性脈絡膜新生血管を発症します。脈絡膜新生血管からの出血や滲出により、視力低下や歪みを生じます。治療として、抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬の硝子体内注射が行われています。 | |
マルファン症候群/ロイス・ディーツ症候群 |
マルファン症候群(Marfan症候群)は全身の結合組織が脆弱となる常染色体優勢の遺伝疾患で、やせ型で高身長の体型、細長い手指、大動脈解離などの心疾患が特徴です。無症状に経過する大動脈瘤(大動脈がごぶ状に膨らむ)、突然の胸背部痛で発症する大動脈解離(大動脈壁の一部が裂ける)、弁の働きが悪くなって息切れがしたりする弁膜症などがあります。また眼では水晶体を支えているチン小体という部位の脆弱性により、水晶体(亜)脱臼となることがあり、その場合は眼内レンズを眼内に縫い付ける手術が必要になります。 ロイス・ディーツ症候群は、血管病変がより広範で重症化しやすい傾向があるとされています。いずれも早いうちから専門医による適切な治療(手術を含む)を受けることが必要です。 |
|
混合性結合組織病 | この病気は名前の通り、いろいろな膠原病が混ざったような病気です。強皮症、全身性エリテマトーデス、筋炎などの症状が一部分ずつ現れるという特徴があります。治療は他の膠原病と同じように免疫抑制を行います。様々な病気の症状がでるのですが、重篤というわけではありません。 |