特殊外来早期認知症外来
概要
早期認知症外来開設のお知らせ
このたび、当院では「早期認知症外来」を開設いたしました。
認知症は早期に発見し、適切な対応を行うことで、進行を遅らせたり、ご本人とご家族の生活の質を保つことができる可能性があります。当外来では、特にアルツハイマー型認知症のごく初期(軽度認知障害:MCIなど)の方を対象に、診断と治療のご相談をお受けしています。
特色・方針
★どんなことをする外来ですか?
・記憶力の検査や脳の画像検査(MRIなど)を行い、現在の状態を詳しく把握します。
・必要に応じて、血液検査や遺伝子検査(APOE)を実施し、副作用リスク(ARIA)や病型の推定を行います。
・さらに、必要と判断される場合はアミロイドPET検査を行い、脳内のアミロイドβの蓄積を評価します。
・これらの検査を通じて、アルツハイマー病か他の認知症(レビー小体型、前頭側頭型など)かを鑑別します。
・診断の結果、アミロイドβ抗体薬が適応と判断されれば、治療を開始します。
★抗アミロイドβ抗体薬とは?
・アルツハイマー病の原因の一つとされる「アミロイドβ」というたんぱく質の異常な蓄積を取り除く治療薬です。
・早い段階で使用することで、記憶や思考力の低下の進行をゆるやかにする効果が期待されています。
一般名 | 商品名 | 特徴 |
レカネマブ |
レケンビ | 早期アルツハイマー病に対し、日本でも使用可能。2週間に1回の点滴。 |
ドナネマブ | ケサンラ | 2024年に日本で承認。アミロイド陽性の早期アルツハイマー病に使用可能。月1回の点滴。 |
★安心して治療を受けていただくために
抗体薬には、ごくまれに脳のむくみや小さな出血(ARIA)などの副作用が起こることがあります。当院では、事前に「APOE遺伝子」の検査を行い、副作用のリスクが高いかどうかを評価したうえで治療方針を決定しています。このように、患者さん一人ひとりに合わせた安全性の高い治療を心がけています。
ご紹介について(他院から通院される方へ)
・他の医療機関から紹介を受けてご来院される場合、当院での抗体薬治療が終了しましたら、地域医療機関(原則としてかかりつけ医あるいは紹介医)へお戻りいただきます。
・抗体薬治療の対象とならなかった場合には、通常の神経内科外来での対応をお願いする場合がございます。その場合には、診断結果と今後の方針を記載のうえ、地域医療機関(原則としてかかりつけ医あるいは紹介医)にご案内させていただきます。
【受診の流れ】
1. かかりつけ医にご相談のうえ、紹介状をお持ちください
2. 初診予約(完全予約制)
3. 検査・診断・治療方針のご説明
4. 抗体薬の導入が適応となれば、治療を開始します
【外来日程について】
・本外来は2025年6月13日より、隔週金曜日の午前中に実施しております。
・担当医の指定はできません。ご了承ください。
※完全予約制となっております。