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診療情報あ行

疾患一覧

疾患名 病状 当院関連診療科
IgA腎症 IgA腎症は、小児では学校検尿で偶然蛋白尿や血尿を指摘されることが多く、初期は無症状です。腎臓の糸球体に免疫グロブリンのIgAという蛋白が沈着する病気で多くは慢性の経過をたどり、進行すると腎機能が低下し、高血圧の合併や腎不全にいたります。一部の患者さんでは、感冒時に、コーラのような色の血尿(肉眼的血尿)を認めます。治療は、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、副腎皮質ステロイド薬、免疫抑制薬、口蓋扁桃摘出術などがあります。

腎臓内科

小児科

IgG4関連疾患 臓器の腫大や結節・肥厚性病変などを認める原因不明の疾患で、血中IgG4値が上昇することが特徴です。主に膵臓、胆管、涙腺・唾液腺、腎臓、後腹膜などが侵されます。自己免疫機序の関与が考えられており、治療ではステロイドが使用されますが、減量や中断によって再発がみられる難治性の疾患です。
例えば、後腹膜線維化症がおこると、尿管が狭くなり腎臓が働かなくなるため、まずは尿管にカテーテルを入れて尿の流れを確保します。根本的な治療はステロイドの内服で、それが無効の場合は手術を行うことになります。
眼科領域では涙腺炎がよく知られていますが、他にも三叉神経腫大、外眼筋炎、視神経症、肥厚性強膜炎や、さらには鼻腔・副鼻腔や頭蓋内に伸展する症例などもあります。治療は眼科においても他臓器の病変と同様,副腎皮質ステロイドの内服が中心となり,ステロイド局所注射などが併用されることがあります。

消化器肝臓内科

腎泌尿器外科

眼科

アジソン病 副腎皮質は3層の構造から成り、球状層からアルドステロンが、束状層からコルチゾルが、網状層から副腎アンドロゲンが分泌されます。アジソン病とは、これらのステロイドホルモン分泌が慢性的に低下した状態をいいます。副腎皮質ホルモンの欠落により、全身倦怠感、体重減少、低血圧や、消化器症状(食欲不振、嘔吐など)、精神症状(無気力、不安など)が認められ、同時に、色素沈着が爪、口腔内にみられます。

内分泌内科

アッシャー症候群 遺伝子の変異により網膜の変性(網膜色素変性症)と、難聴を合併する症候群。視覚障害は暗所が見にくく(夜盲)、進行性で視野狭窄から社会的失明に至る場合もあります。難聴は先天性が多く、めまい(前庭症状)を伴う事もあります。常染色体劣性遺伝で、頻度は10万人に数人程度。視覚障害の治療は対症療法のみであり、難聴については人工内耳の治療が試みられています。

眼科

アルポート症候群 アルポート症候群(Alport症候群)は慢性腎炎、難聴、眼合併症を呈する症候群で、末期腎不全へと進行します。遺伝性の疾患で腎臓の糸球体という部分を構成する4型コラーゲンのα3鎖、α4鎖またはα5鎖をコードしている遺伝子に異常がある場合発症します。現在のところ根治的治療法はありませんが、末期腎不全への進行を抑えるために、アンジオテンシン変換酵素阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬の内服による腎保護に焦点を当てた治療を行います。

小児科

一次性ネフローゼ
症候群
ネフローゼ症候群とは、尿に蛋白がたくさん出てしまうために、血液中の蛋白が減り(低蛋白血症)、その結果、むくみ(浮腫)が起こる疾患です。小児では20000人に1人発症します。小児では原因不明の一次性ネフローゼ症候群がほとんどで、90%が腎臓の組織に異常を認めない、微小変化型です。治療にはステロイドがよく効きますが、ステロイドや免疫抑制薬を減量すると再発を繰り返すことが多いです。微小変化型ネフローゼ症候群の場合は、腎臓の機能が低下することは少なく成人期に改善します。

腎臓内科

小児科

遺伝性自己炎症疾患 遺伝子の異常を原因として(遺伝性)、体質的に発熱などの炎症症状がおこってくる病気(自己炎症性疾患)です。この項では、既に独立して難病に指定されている、クリオピリン関連周期熱症候群、TNF受容体関連周期性症候群、ブラウ症候群、家族性地中海熱、高IgD症候群、中條・西村症候群、化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群、を除いた疾患を対象とします。現時点で対象となるのはNLRC4異常症、アデノシンデアミナーゼ-2(Adenosine deaminase-2:ADA2)欠損症、エカルディ・グティエール症候群(Aicardi-Goutières Syndrome:AGS、A20ハプロ不全症の4疾患です。ただし、近年次々と新しい自己炎症性疾患が見つかっており、今後対象となる疾患が増えていく可能性があります。

皮膚科

遺伝性膵炎 遺伝子の異常により慢性膵炎が家族の中に多発する稀な病気です。幼少期より腹痛、悪心、嘔吐、下痢などの急性膵炎発作を繰り返し多くは慢性膵炎へと進行します。膵臓から消化酵素が十分に出なくなり下痢や脂肪便、体重減少を起こし、インスリンの分泌が減少することで糖尿病も高率に合併します。

消化器肝臓内科

遺伝性鉄芽球性貧血 遺伝性鉄芽球性貧血は赤血球の鉄代謝・合成に関わる遺伝子の異常により鉄の利用が障害され、貧血を起こす病気です。X染色体連鎖性遺伝であり男児にのみ発症します。主症状は貧血による顔色不良、息切れ、めまいを起こします。治療法はビタミンB6で半数以上の症例で貧血の改善が認められます。輸血も行われますが、鉄過剰に注意が必要です。

小児科

ウィルソン病 ウィルソン病は遺伝性の疾患で、銅が体内に過剰に貯まり、肝臓や脳、眼、腎臓に障害を来します。銅は肝臓に一番貯まりやすく進行すると、肝障害を来し肝硬変に至ります。血液検査ではセルロプラスミンが低下し、尿中に銅が大量に排泄され、治療はD-ペニシラミンやトリエチレンなどの薬を投与します。

消化器肝臓内科

エプスタイン病 エプスタイン病は右心房と右心室間に存在する三尖弁の形成異常を伴う先天性の心疾患です。三尖弁の形成不全に伴う三尖弁逆流と右心室の異常を伴いますが、様々な病変の形態があります。エプスタイン病では、外科治療による三尖弁の形成手術を行う必要があります。

小児心臓外科