診療支援部門乳腺センター
概要
患者のみなさんへ
乳がんは女性のがんのなかで最も罹患数が高く、1年間に約92,300人が乳がんと診断されています(最新がん統計:国立がん研究センターがん情報サービス2021年2月)。すなわち女性9人に1人が乳がんに罹患するような社会情勢のなか、乳腺外科、形成外科、放射線科、化学療法科、乳腺専門看護師、薬剤師、そして理学療法士の多職種が密接に連携してそれぞれの専門性を活かして科学的根拠に基づきながら患者さんに寄り添った質の高い医療を機能的に提供することを目的に乳腺センターが2021年4月にオープンしました。
特色・強み
「できるかぎり診察待ち時間を短縮する」ために、初診患者さんは来院時の問診に基づいて診察前にマンモグラフィ、乳房超音波検査を行っていただきあらかじめ病状・病態を把握した後に診察いたします。2021年3月に導入されたマンモグラフィ撮影装置はトモシンセシス撮影(3Dマンモグラフィ検査)が可能で、通常のマンモグラフィ検査では描出困難な病変もしっかりと観察できます。
精査で乳がんと診断されれば多職種合同の乳腺カンファレンスで治療法を確認し、乳腺看護師の同席で治療方針を患者さんに説明いたします。術後治療もそれぞれの患者さんに合った治療法を乳腺カンファレンスで検討し、患者さんとコミュニケーションをとりながら治療法を選択していただきます。
乳がん再発治療でも初診時から遠隔転移を有する進行乳がん治療においても、患者さんの病気に対する正しい知識と理解のもとに一人ひとり異なる病状や進行に最も適した最良な治療の提供を目指します。また遺伝性乳がん卵巣がん症候群の診療にも関西医科大学附属病院との診療連携で取り組んでいます。
乳腺センターでは乳がん以外に乳腺疾患全般も診療しています。乳腺炎や良悪性の鑑別を必要とする乳腺疾患の治療、トモシンセシス、超音波検査、針生検、ステレオガイド・超音波ガイド下マンモトーム生検を駆使した乳がん検診の二次精査も行っています。特にステレオガイド下マンモトーム生検による微細石灰化病変の診断は北河内地域の中核施設として活動しています。また乳がん一次検診も寝屋川市、四條畷市在住の方を対象に行っています。当センターは総合病院という特色を生かし、併発疾患を抱えた患者さんの受け入れも積極的に行っています。
専門的チーム体制で患者さんの安心と信頼が得られるような最善・最良の医療サービスの提供を目指しています。2021年春に乳腺センターが開設されましたが、それ以前から当院でも多職種連携の乳がん診療が行われていました。それならば、「なぜ今乳腺センター?」ということですが、乳がん診療には検診を含めた予防から始まり、診断、治療、経過観察、ときには再発治療と長い診療時間を必要とします。
また近年乳がん治療の進歩もめざましく、個々人の医者だけで成しえるものでなくなってきました。専門の職種がそれぞれの専門知識を生かして医療スタッフ全員で継続的に患者さんと情報を共有しながら良質で最善の医療を提供しようとの考えで当センターが設立されました。関西医科大学が持っている医療パワーを最大限に活用しながら、乳がんだけでなく乳腺疾患全般において常に患者さんにとってベストな診療を行い、地域の乳腺診療の発展に貢献できれば幸いと考えています。