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当院について地域がん診療連携拠点病院

地域がん診療連携拠点病院について

当院は2010年に地域がん診療連携拠点病院の指定を厚生労働省から受けました。北河内2次医療圏の中のがん診療の拠点として、肺がん、乳がん、胃がん、肝がん、大腸がんの5大がんはもとより希少がんを含めて、高度かつ個々の患者さんに適切ながん医療を提供しています。また、大阪府指定のがん診療拠点病院など地域医療機関とともに、地域全体のがん診療連携を推進しています。

がん診療連携拠点病院とは、全国どこでも質の高いがん医療を受けられるように、専門的ながん医療の提供、地域のがん診療の連携協力体制の整備、患者・住民への相談支援や情報提供などの役割を担う病院として、国が定める指定要件を踏まえて都道府県知事が推薦したものについて、厚生労働大臣が適当と認め、指定した病院です。

【大阪府の各医療機関数】2023年4月現在

  • 都道府県がん診療連携拠点病院 1医療機関
  • 地域がん診療連携拠点病院   17医療機関(当院を含む)
  • 大阪府がん診療拠点病院    45医療機関

がんゲノム医療連携病院について

また当院は地域がん診療連携拠点病院に加えて、「がんゲノム医療連携病院」としても、高度ながん診療の支援を実施しております。
がんゲノム医療連携病院とは、がんゲノム医療中核拠点病院やがんゲノム医療拠点病院(がん診療の専門家が集まり、がん遺伝子の解析結果から治療方針を検討する委員会(エキスパートパネル)を開催できる等の基準を満たした病院)と連携し、がんゲノム医療を実施する病院です。
当院では、がんゲノム医療中核拠点病院である京都大学医学部附属病院と連携し、難治症例のがん治療に取り組んでいます。

当院のがんゲノム医療についてはこちら

院内がん登録について

当院は「がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針」により、院内がん登録の実施が義務付けられ、集計結果を国立がん研究センターに提供しています。また、2016年1月から「がん登録等の推進に関する法律」が施行され、全国がん登録も実施しています。
登録された情報につきましては、プライバシーや権利が侵害されることのないよう適切かつ厳重に管理しています。治療の効果を正確に把握して今後の治療成績を向上させる目的で、紹介先医療機関に治療経過等を問い合わせることがありますので、あらかじめご了承ください。
なお、国立がん研究センターが実施しているQI事業(がん診療均てん化のための臨床情報データベース構築と活用に関する研究)にも参加しています。

がん登録件数について(2022年実績)

院内がん登録 3,804件

関連資料

北河内がん診療ネットワーク協議会

北河内エリアに属する地域がん診療連携拠点病院、大阪府がん診療拠点病院、各市医師会などによって構成され、北河内二次医療圏におけるがん診療連携体制の強化とがん医療水準の向上を目的に活動しています。また、がん登録部会・がん相談支援部会・がん広報部会・緩和ケア部会・地域連携部会・看護部会・薬物療法連携部会の7部会が設置されています。

当院は北河内二次医療圏唯一の地域がん診療連携拠点病院として、この北河内がん診療ネットワーク協議会において事務局を務めています。市立ひらかた病院、佐藤病院、松下記念病院、関西医科大学総合医療センターの4病院に加え、訪問医・訪問看護ステーション、ホスピス、そして枚方市・交野市・寝屋川市・守口市・門真市・大東市・四條畷市の7市保健所、自治体が参加して、北河内エリアのがん診療をより良いものへレベルアップさせるべく活動中です。

各部会の取り組み

がん登録部会

2016年1月から「がん登録等の推進に関する法律」に基づき、すべての病院で全国がん登録を実施しています。がん登録部会では北河内二次医療圏内のがん登録実務者との連携を強化し、がん登録の精度向上を目的に活動しています。活動内容として、がんに対する理解を深めるために研修会を年3回実施していることに加え、実務者のがん登録に関する疑問を解決できるよう取り組んでいます。

がん相談支援部会

がんの治療は、医学的な悩みだけでなく治療費や生活費など経済的な不安、生死に関わるがんという病と向き合う際に生じる心理的な不安、家族関係・友人関係などの人間関係にまつわる不安、そして現役世代の場合は仕事を続けたり転職したりといった仕事の不安など、様々な心配事が尽きません。そこでがん相談支援部会では、そうした不安に苛まされる患者さんやご家族様の負担を少しでも和らげられるよう、がん相談の質的向上・相談員のスキルアップを主な目的として活動しています。
具体的には定例会議の開催、各病院で実際に対応した相談事例の共有・問題点の議論、合同イベントの開催などが挙げられ、今後も積極的に展開していきます。

がん相談件数について(2022年度実績)

新規がん相談件数 2,674件
延べがん相談件数 9,472件

がん広報部会

早期に発見し、早い段階で医療的な介入ができれば治癒・寛解に至る可能性が高まるのもがんの特徴です。広報部会では、こうした特徴を踏まえてがんの早期発見に向けた啓発活動や、実際にがんが見つかった患者さんが迷わず最適な治療を選択できるような情報提供に取り組んでいます。
近年では、定期的ながん検診の重要性を幅広く伝えるための絵本「笑顔のチケット」を発行し、北河内がん診療ネットワーク協議会参加病院だけでなく地元エリアの学校や公共機関においても配布し、新聞テレビなどのマスコミでも紹介されました。

絵本プロジェクト

がん啓発絵本『笑顔のチケット』についてはこちらから

緩和ケア部会

がんは治る病気になりつつありますが、痛みなどの病気による症状だけでなく、抗がん剤の副作用による脱毛・倦怠感など、様々な“異変”が生じます。その結果、日常生活にも支障をきたしてしまったり患者さんの治療意欲を削いでしまったりと、悪影響が避けられません。そこで緩和ケア部会では、がんの治療に伴う苦痛を和らげる緩和ケアの推進を担い、市民公開講座や出張ハンドマッサージ、アピアランスケア(医療用ウィッグ、補正下着など)の啓発などに取り組んでいます。
また、最近はACP(Advanced Care Planning)、人生会議の発信にも注力しており、元気なときだからこそ自身や家族の終末期・お亡くなりになられる前後のことを前もって話し合うよう、情報発信・啓発に努めています。

緩和ケア研修会について(2022年度実績)

緩和ケア研修会 開催回数 1回  2022年8月13日(土)

緩和ケアチーム実績

緩和ケアチーム実績はこちら

緩和ケアチーム依頼内容(2022年度実績)

介入内容(外来)

介入内容(入院)

地域連携部会

当院のような大学病院・がん診療連携拠点病院といった大規模総合病院で手術や抗がん剤の治療を行ったのち、かかりつけ医へお戻しして外来フォローアップや経過観察を行う際、スムーズな情報共有と連携が必要不可欠です。地域連携部会ではこうした連携のカギを握る“がん診療連携パス”の稼働を支援しています。
一方で近年、がん治療の医学的な進歩に伴い、小児がんや若年性でがんを発症した後、治療後に日常生活を取り戻す患者さんが多数おられます。その際課題となることのひとつが、妊よう性の温存。また、学生・生徒の場合は治療と学業の両立、休学からの復学が、若年層では仕事の継続や転職が大きな課題です。こうしたAYA(Adolescence & Young Adult)世代に特有の課題を解決するために、地域連携部会の下にAYA世代支援チームを設置し、オンライン遠足など様々な活動に取り組んでいます。

※詳しくはこちら「AYA世代支援チーム」

それ以外にも、遺伝子レベルでのがん治療をサポートするがんゲノム医療の推進・他院との連携強化、小中学校や企業へ出向き出張授業・講義を行うがん教育事業など、地域と連動するがん診療を担うチームとして、地域連携部会は活動しています。

がん治療連携指導料に係る連携保険医療機関について(2022年度実績)

がん治療連携指導に係る連携保険医療機関 乳がん 167機関
がん治療連携指導に係る連携保険医療機関 大腸がん 132機関
がん治療連携指導に係る連携保険医療機関 肝がん 138機関
がん治療連携指導に係る連携保険医療機関 胃がん 161機関
がん治療連携指導に係る連携保険医療機関 肺がん 111機関
がん治療連携指導に係る連携保険医療機関 胆膵がん 95機関

がん地域連携パス稼働件数(2022年度実績)

がん地域連携パス稼働件数 54件(乳がん26件、胃がん28件)

看護部会

2023年度新たに設置された本部会は、外来治療や入院時、あるいは在宅での療養など患者さんの人生の様々な場所でがん診療に携わる看護師の役割に注目し、さらなる最適化・質的向上に取り組む部会です。今後、北河内エリアにおけるがん看護の現状、問題点の洗い出しを進め、その改善に取り組む予定です。

薬物療法連携部会

本部会は看護部会と同様、2023年度に設置されました。年々進化を遂げるがんの薬物治療・抗がん剤治療について薬剤師が果たせる役割を再認識・再定義し、さらにがん患者さんの治療選択と療養において貢献できるよう現状分析や合同研修の実施など、積極的に活動していきます。