関西医科大学附属病院の特長中咽頭がん、声門上がん、下咽頭がんに対するロボット支援手術を開始しました
令和7年6月、附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科においてロボット支援手術を開始しました。
治療方法とメリット
治療方法
経口的ロボット支援手術(Transoral Robotic Surgery:TORS)。全身麻酔下にda Vinci サージカルシステムを用いて腫瘍を切除します
ロボット支援手術のメリット
従来の経口的手術と比べ、より複雑な操作をスムーズに行えることが挙げられます。狭い口腔内を拡大して立体的に観察することができ、360度自由に動くロボットアームにより、精度の高い手術が可能になります。これにより、腫瘍の周囲に適切な安全域を確保しやすくなり、機能温存の可能性が高まります。また、出血量が少なく、術後の回復が早いというメリットもあります。
治療の流れ
耳鼻咽喉科・頭頸部外科外来受診時に検査(生検、採血、MRI/CT、PETなど)
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キャンサーボード(耳鼻科、放射線治療科、臨床腫瘍科、病理診断科の医師が治療方針に関して話し合います)
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患者さんへ説明
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入院のうえ、全身麻酔下に手術施行
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数日後より経口摂取開始
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退院(通常は1~2週間程度の入院が必要です)
当院の治療体制
当院では、TORSを含めた高度な外科治療を行う頭頸部がん専門医(耳鼻科医)、放射線治療医、腫瘍内科医、病理医、臨床工学技士、看護師など、様々な職種の専門家によるチームを形成しています。
ロボット手術が対象となる方
中咽頭がん、声門上がん、下咽頭がんのうち、開口障害がなく、頸動脈や骨組織などの深部組織に浸潤がない患者さん