閉じる

関西医科大学附属病院の特長僧帽弁閉鎖不全症に対する低侵襲治療「マイトラクリップ」を開始しました

令和6年6月、附属病院で、マイトラクリップを開始しました。マイトラクリップは、僧帽弁閉鎖不全症に対して、僧帽弁の逆流を軽減することを目的とした治療法です。カテーテルを用いて治療を行うので胸を大きく切開することなく、また人工心肺を使わないことから、患者さんの身体への負担が少ないのが特徴です。

マイトラクリップとは

治療方法

足の付け根の静脈からカテーテルを用いて、MitraClip(マイトラクリップ)を心臓に到達させて、そのマイトラクリップで弁を掴み、引き合わせることにより、逆流する血流量を減らす治療です。

マイトラクリップのメリット

1.胸を大きく切開することなく、また、開胸による外科的弁膜症手術のように心臓を止める必要がなく人工心肺を使用しなくて済むことから患者さんの身体への負担が少ないのが特徴です。

2.高齢者や心臓以外の併存症により外科的手術が行いにくい患者さんでも治療できる可能性があります。

3.術後早期に離床が可能なため、1週間程度と比較的短い入院期間で治療を受けることができます。心不全管理や薬剤管理のため入院期間が延長する可能性もあります。

治療の流れ

初診外来時に検査(採血、レントゲン、経胸壁心臓超音波検査)

後日、経食道心臓超音波検査

ハートチームカンファレンス(ハートチームの医師たちが治療方針に関して話し合います)

患者さんへ説明

入院の上で治療実施

心臓リハビリテーション

退院(通常は1週間程度の入院が必要です)

当院の治療体制

当院では、弁膜症に対する高度なカテーテル治療の技術を持つ循環器内科医、心臓血管外科医、麻酔科医、心臓画像診断専門医や、臨床工学技士、看護師、放射線技師など、様々な職種の専門家によるハートチームを形成しています。

マイトラクリップが対象となる方

重度の僧帽弁閉鎖不全で非常に高齢である、心臓手術の既往がある、心臓の動きが悪い、免疫不全の状態である、脆弱であるなど外科的開心術が困難な方