トピックス 2025/06/27 腹部ヘルニア・機能外科センター 上部消化管外科
おなかのヘルニアや逆流性食道炎に、体の負担が少ない腹腔鏡手術を推進
専門部門として質の高い低侵襲治療を提供
近年、高齢化や生活様式の変化に伴い、鼠径(そけい:脱腸)や腹壁瘢痕(ふくへきはんこん)ヘルニアなどの腹部のあらゆるヘルニア、また逆流性食道炎といった、生活の質(QOL)を著しく低下させる疾患が増加傾向にあります。
当院ではこれらの疾患に対し、体に負担の少ない「腹腔鏡(ふくくうきょう)手術」を標準治療として積極的に導入しています。
腹腔鏡手術は、数か所の小さな創(きず)から手術を行う低侵襲治療であり、術後の痛みが少なく、患者様の早期社会復帰を可能にします。
大学病院の総合力を活かし、肥満・持病をお持ちの方や複雑な症例にも対応。
当部門の最大の強みは、各分野の専門家が集う総合力です。心疾患や呼吸器疾患などの併存疾患をお持ちの患者様や、再発症例、特に近年増加している高度肥満を合併した腹部ヘルニアや逆流性食道炎といった複雑な病態の患者様に対しても、各診療科の専門医と緊密に連携し、安全性を最優先した治療を提供できる体制を整えています。さらに、高度肥満症にアプローチする減量・代謝改善手術も当部門の重要な領域です。
また、当部門責任者はヘルニア領域に関する複数の専門書籍を執筆するほか、全国規模のヘルニア研究会で当番世話人を務めるなど、本分野を牽引しており、その最新の知見を日々の診療に還元しています。