看護のお仕事

高い専門性とあたたかい看護を提供する

当院看護部では、「心の響きあうあたたかい看護」 を理念とし、患者さん一人ひとりを大切にする
「安全で安心な看護」の提供に努めています。
医療の高度化や地域との連携など、看護師にはさまざまな役割が求められるようになっており、
当院看護師もさまざまな仕事を持っています。
そこで今回は、患者さんにとってもっとも身近な存在である看護師の役割や
仕事についてご紹介します。

最重症患者さんをケア

1.「GICUのお仕事」

集中治療の現場で安全なケアを目指す
本館3階、手術室と同じフロアに位置するGICU (総合集中治療部)は9床で構成されています。
手術後で急性期全身管理が必要、院内で重症となった場合など、最重症の患者さんの治療を目的とした部門です。
また心臓カテーテル検査室を併設しており、予定された治療・検査を行うだけでなく、緊急時にも対応しています。
GICUでは、専従の集中治療認定医、集中ケア認定看護師、臨床工学技士など専門のスタッフ達が集まってチーム医療を行い、生命の危機にある患者さんの治療にあたっています。
集中治療室と聞くと、「たくさんの機械につながれている」、「怖いイメージ」があるかもしれません。
近年、集中治療の発展と共に救命率も上昇し、患者さんの生命の維持だけでなく、
治療後についても目をむけることができるようになりました。
GlCUを退室した後の自宅退院や社会復帰といった長期的な目標も見据えています。
1日でも早く回復していただけるように安全に全身管理を行いながら、ふれあいを大切にした温かい看護を提供しています。

患者さんの声を代弁

2.「手術室看護師のお仕事」

患者さんと直接接する機会は多くありませんが、手術を受ける患者さんにとって重要な役割を担っているのが手術室看護師です。
手術室看護師は、「器械出し看護師」と「外回り看護師」に分かれて手術を担当しています。
器械出し看護師は手術に使用する数十種類の器械を覚え、必要な器械を必要な時に提供し手術がスムーズに進行するように、
医師と息を合わせて手術看護を行っています。
外回り看護師は麻酔のかかった患者さんの代弁者となり体に変調はないか常に観察し、異常の早期発見により術後の苦痛が最小限になるように努めています。
また全身麻酔で手術を受けられる患者さんには、手術前に病棟を訪問し、手術の流れをお話しながら日常生活のことや体の調子や手術への思いを聞き、患者さんが少しでも不安なく手術室に来ていただけるように取り組んでいます。
手術室では多くの患者さんを受け入れているため、誤認のないように何度もお名前を確認しています。
患者さんにご協力いただいた上で、医師・看護師が力を合わせて安心・安全な手術が行えるように、チームで頑張っています。

産む・育てるをサポート

3.「4B病棟(産婦人科)のお仕事」

当院では安心して産み育てる環境を作るために、妊娠・出産・育児をサポートするよう、マタニティヨガや両親教室を開催しています。
出産時にはご家族(ご主人・ご両親・ ご兄弟等)の立ち会いができ、 出産後は個室(シャワー・トイレ付)で母児同室にてゆっくり赤ちゃんと過ごしていただけます。
退院してから約2週間後には、母乳外来にて赤ちゃんの成長とお母さまの気持ちもフォローしています。
(現在はコロナ禍のため実施していませんが、今後再開予定です)

私たち助産師は、家族の絆を大切に考えたお産と、アットホームな雰囲気づくりに努め、
産後の育児不安が軽減できるように退院後のサポートにも取り組んでいます。

マタニティヨガとは

妊婦さんのためのヨガレッスンが受けられます。
頑張ることと、無理しないことのバランス、呼吸法やリラックス法をお伝えしており、
そのようなヨガの練習は、出産時だけでなく子育てにもつながります。
(現在はコロナ禍のため実施していません)

ベビーマッサージ (よちよちクラブ)

ベビーマッサージで赤ちゃんとの時間を一緒に楽しみませんか?
ベビーマッサージとは、ママ・パパの優しい手で赤ちゃんを撫でてあげることです。
大好きなママの笑顔と優しい声を聞きながらのベビーマッサージは、赤ちゃんをリラックスさせてくれます。
何より親子のコミュニケーションとなり絆を深めてくれます。
(コロナ前は座談会を含め実施していました。今後再開予定です。)

快適で質の高い入院生活を

4.「5B病棟のお仕事」

5B病棟は、脳神経外科、整形外科、脳神経内科、皮膚科、形成外科の病棟です。
脳神経外科は、脳卒中や脳腫瘍の治療、整形外科は、頚椎、胸腰椎、股関節や膝関節など運動器疾患の患者さんが多く入院されています。
形成外科は、火傷等の瘢痕(はんこん)、褥瘡(じょくそう)等の手術、皮膚科では、悪性黒色腫やリンパ腫、日光過敏症などの疾患で化学療法や光線療法の治療を行っています。
入院生活を送るうえで、日常生活動作(ADL)の援助を医師の指示のもと、リハビリ科の理学療法士や作業療法士・言語聴覚士と連携し、患者さんの状態に合わせてケアを進めています。
患者さんが安心して、安全な治療を受けていただけるよう、治療の補助や観察を行い、自立に向けたADLの拡大やリハビリ等を行い、快適な療養環境で入院生活を送っていただけるように努めています。
当院では、チーム医療を行っており、緩和チーム、リエゾンチームなど様々な専門チーム・病棟看護師・医師が連携し、患者さんを中心とする質の高い医療・看護を行っています。
そして、治療の後は安心して退院できるよう、地域連携部やソーシャルワーカーと連携をして、在宅療養や転院等が円滑に進むよう支援もしています。

患者さん中心の医療を支える

5.チームの中の看護師

~緩和ケアチーム~
チーム力を最大限活かした緩和ケアを

当院は大阪府のがん診療拠点病院に指定されており、緩和ケアを充実させることが大きな柱となっています。
そのため、入院された患者さんには苦痛の自己評価シートをお渡しし、苦痛の早期発見と対応に努めています。
緩和ケアでは、がんの診断を受けショックを受けている時や、痛みなどのつらい症状を緩和し、不安や気がかりについても一緒に考えていきます。
治療が受けやすい環境作りや、ご家族のケアも重要な役割です。
当院でがん治療を受ける患者さんやご家族の方、つらい症状がある時には緩和ケアを受けてください。
体や心のつらさがより少ない日常生活を取り戻しましょう!
~感染制御部~
看護師が必ず持っているものは?

院内感染のリスクを減らし、安心・安全な医療を提供することを目標として、医師・薬剤師・検査技師・看護師で構成するICT(感染制御チーム)メンバーが院内を定期的に巡回し、感染対策の実施状況を確認しています。
看護師は多くの患者さんに触れるため、常に手指消毒剤を持ち歩いています。
巡回では手指消毒剤を持っているか?手洗いができているか?などを抜き打ちで確認します。
~褥瘡対策室~
患者さんに応じたスキンケアで皮膚を守ります!

褥瘡対策室では、褥瘡(床ずれ)発生の危険性が高い患者さんへの予防ケア、褥瘡を保有する患者さんに対しては悪化予防・治癒促進ケアを行っています。
安心・安全な生活を過ごすことを目標に、多職種と協働し患者さんをサポートできるよう努めています。
また、スタッフへの指導・相談を通して、院内全体の看護ケア向上を目標に活動しています。
~地域医療連携部~
チームの中の看護師


入退院支援看護師として、患者さんのスムーズな入退院に向けた支援を効果的に進め、最適な医療サービスの提供を目指しています。
具体的には、介護保険などの制度を活用できるよう、手続きの方法などを紹介しています。
また、自宅退院に向けての在宅調整では、訪問看護・介護リハビリなどの調整を行います。
退院後の療養先についても相談をお受けしており、退院に伴う不安を解消し、患者さんとご家族が安心して地域で療養できるよう支援しています。

患者さんに寄り添い療養を支える

6.「看護外来」

糖尿病ケア外来

通院中の糖尿病患者さんを対象とし、自己注射の方法や実施状況の確認、自己血糖測定や日常生活について、看護師と一緒に振り返ります。
糖尿病と上手に付き合いながらご自宅で生活できるようサポートしています。
またフットケアとして、糖尿病性神経障害のチェックや、患者さんと一緒に爪きりなどを行っています。
糖尿病透析予防外来

糖尿病の合併症の一つである糖尿病性腎症の患者さんを対象とし、病気の進行や透析導入を予防するために、管理栄養士による栄養指導と、看護師による症状確認や生活のアドバイスを行っています。
患者さん一人ひとりに寄り添い、お役に立てるようなサポートを心掛けています。
WOC外来

主にストーマケアを行っています。
ストーマとは大腸がん手術の際などに人工的に作られる排出口のことで、退院後スムーズにフォローできるよう手術前から面談をいたします。
ご家族や訪問看護などとも連携し、患者さんが快適な生活が送れるよう心がけています。
毎週火曜日、午前は消化管ストーマケア、午後は泌尿器ストーマケアを行っています。
CIC(神経因性膀胱)外来

排尿障害などの原因で尿を上手く出せなくなってしまった場合、それを助ける手段の一つに「自己導尿」があります。
自分自身もしくは、家族の方が尿道からカテーテルという管を入れて定期的に尿を出す方法です。
当外来では、自己導尿の方法の習得だけでなく、一人一人の生活背景に合う導尿スタイルを提案し、少しでも快適な生活が送れるようサポートしています。
禁煙外来

毎週火曜日、完全予約制で行っています。
禁煙を迷っている方、健康のためにも是非医師・看護師のサポートを受け禁煙にチャレンジしてみませんか?
(現在は休止しています)
CKD(慢性腎臓病)外来

地域の開業医(かかりつけ医)と当院専門医が連携し「ベストな治療でCKD悪化予防」を目的としたチーム医療を行っています。
看護師は、チームの一員として腎臓病の進行を抑えられるように、「気づく・学べる・元気になる」を目標とし、療養生活指導や困りごとなどの支援を行っています。
透析療法選択外来

慢性腎臓病の進行に伴い腎代替療法が必要になった患者さんに、腎移植・血液透析・腹膜透析の違いやメリット、デメリットについて説明し、患者さんの生活に合った療法を選択できるよう意思決定支援を行っています。
患者さんにとって腎代替療法は人生の大きな決断の場面です。
看護師は実際の治療機器や人形などを使って分かりやすく説明します。
また、生活の変化がイメージしやすいよう視覚的に提示する工夫も行なっています。
腹膜透析外来

在宅で腹膜透析(PD)をされている患者さんが、安全・確実な治療を行えるようサポートしています。
外来では医師の診察前に看護師が問診し、PDカテーテル刺入部のケアや、透析液交換時の消潔操作など自己管理ができ腹膜透析が維持できるかなどの確認をします。
また定期的に腹膜炎など合併症の早期発見と対応ができるよう支援しています。
さらに、地域の施設と連携し、在宅療養支援が受けられるよう地域医療連携活動も行っています。

認定看護師とは

日本看護協会が定める21の認定看護分野の教育を修了し、認定審査に合格することで取得できる資格です。
認定看護師の役割である「実践・指導・相談」を行い、看護ケアの広がりと質の向上を図ることに貢献しています。
専門的な治療や看護ケアが必要な患者さんやご家族に対して、最適な看護ケアは何か専門知識に基づき判断し実践したり、他の看護師がケアを行えるよう指導しています。
当院に11分野19名の認定看護師が在籍し、その能力を発揮しています。

専門看護師とは

日本看護協会が定める13の専門看護分野の教育を修了し、審査に合格することで取得できる資格です。
専門看護師には「実践・相談・調整・教育・研究・倫理調整」の6つの役割があります。
専門看護師は、困難で複雑な健康問題を抱えた患者さん・家族・地域等に対して、より質の高い看護を提供するための知識や技術を備え、特定の専門看護分野において卓越した看護実践能力を有しています。
当院には、リエゾン精神、母性看護専門看護師が各1名、がん看護専門看護師が2名在籍し、各領域で活動しています。

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