救命救急センターに導入
当院救命救急センターでは、平成29年7月から、世界初の機構を持つ「2ルーム型CT」を導入し、救急初期治療に高い効果を発揮する「Hybrid Emergency Room(以下ER)」としての稼働を開始しました。ERは、X 線により体内部をリアルタイムに透視・撮影し血管内治療を行うための「血管造影装置」と、検査のために体内部の精密な断層画像を撮影する「CT」の2つの機能を併せ持っています。この2つの機能を持った装置のことは「IVR-CT」と呼ばれています。
検査から治療まで1部屋で
これまで、救命救急センターに運ばれた救急治療が必要な患者さんであっても、CT検査からカテーテル治療、手術と、それぞれの装置がある部屋に移動する必要がありました。各部屋間の移動には時間が掛かり、重傷の患者さんの場合、ときに命の危険を伴うものでした。その問題を解決するのが「IVR-CT」です。「IVR-CT」を活用することで、患者さんが動くことなく1つの部屋でCTの撮影から検査、治療と全てを完結することができるようになり、治療時間を短縮し、救命できる可能性を大きく上げることができます。
役割に応じて装置が動く、
世界初の機構
一般的な「IVR-CT」の場合、CTを使用しないときには、CT装置を部屋の隅に移動させ待機させておくことしかできず、空間、機械、人的資源の大きな無駄が発生していました。今回当センターが稼動を開始したERには、当院と東芝メディカルシステムズ株式会社が共同で開発した、2つの部屋をCT装置が行き来する世界初の機構を装えた「標準CT組合せ型IVR-CT」と呼ばれる装置を設置。CT装置を別室へ移動させることができるようになり、「IVR-CT」としてだけでなく、検査を行うCT装置単体としても稼動させることが可能となります。患者さんの治療中に、別の患者さんの検査ができるため、より多くの患者さんを受け入れることができます。高度な医療資源をより多くの患者さんに。これからも地域の皆さんのために発展し続ける「救命救急センター」にぜひご期待ください。
Q&A
救急医学科部長 中森靖教授に聞きました
高機能な設備を活用し、より多くの患者さんを救います
Q1
なぜ世界初の「2ルーム型CT」を開発されたのですか?
A
今まで他の病院にも設置されていたHybrid ERは、治療中の患者さん一人にしか使うことができず、施設に余裕のある大きな病院しか設置することができませんでした。今回開発した「2ルーム型CT」は、普段はCT室、血管造影室とそれぞれ独立した部屋として稼動させ、必要な2部屋をドッキングさせ高性能なHybrid ERとして使うというのがコンセプトです。こうすることで、それぞれの設備を無駄なく活用することができるため、当院だけでなく、より多くの病院が導入できるようになります。
なぜ世界初の「2ルーム型CT」を開発されたのですか?
A
今まで他の病院にも設置されていたHybrid ERは、治療中の患者さん一人にしか使うことができず、施設に余裕のある大きな病院しか設置することができませんでした。今回開発した「2ルーム型CT」は、普段はCT室、血管造影室とそれぞれ独立した部屋として稼動させ、必要な2部屋をドッキングさせ高性能なHybrid ERとして使うというのがコンセプトです。こうすることで、それぞれの設備を無駄なく活用することができるため、当院だけでなく、より多くの病院が導入できるようになります。
Q2
Hybrid Emergency Roomが稼動したことによるメリットはなんですか?
A
一人の患者さんの血管造影治療中に、隣の部屋で別の患者さんのCT撮影ができるようになったため、より多くの患者さんの受け入れができるようになりました。これは当初のコンセプト通りです。それ以外に今回稼動してみて分かったことは、CT装置を自在に動かすことができるため、必要のないときにCT装置を隣の部屋に動かして、患者さんの治療や手術を行うスペースが確保しやすくなったということですね。広いスペースを確保できることで、治療や手術が今まで以上に迅速かつ正確にできるようになりました。
Hybrid Emergency Roomが稼動したことによるメリットはなんですか?
A
一人の患者さんの血管造影治療中に、隣の部屋で別の患者さんのCT撮影ができるようになったため、より多くの患者さんの受け入れができるようになりました。これは当初のコンセプト通りです。それ以外に今回稼動してみて分かったことは、CT装置を自在に動かすことができるため、必要のないときにCT装置を隣の部屋に動かして、患者さんの治療や手術を行うスペースが確保しやすくなったということですね。広いスペースを確保できることで、治療や手術が今まで以上に迅速かつ正確にできるようになりました。
Q3
最後に、患者さんに向けたメッセージをお願いします
A
当院では、年間約2,0000件の救急患者さん(新型コロナウイルス対応含む)の受け入れを行っています。Hybrid ERが稼動したことで、より多くの患者さんの受け入れができるようになっただけでなく、今まで救命が難しかった患者さんの救命できる確率が明らかに高くなり、救命救急センタースタッフの士気も高まっています。これからも地域のみなさんに安心を提供できるよう、スタ ッフ一丸で努力して参ります。
最後に、患者さんに向けたメッセージをお願いします
A
当院では、年間約2,0000件の救急患者さん(新型コロナウイルス対応含む)の受け入れを行っています。Hybrid ERが稼動したことで、より多くの患者さんの受け入れができるようになっただけでなく、今まで救命が難しかった患者さんの救命できる確率が明らかに高くなり、救命救急センタースタッフの士気も高まっています。これからも地域のみなさんに安心を提供できるよう、スタ ッフ一丸で努力して参ります。
救急医学科部長 中森 靖(教授)
日本医療機能評価機構認定病院に認定されました
大切な人を受診させたい病院へ
当院は、公益財団法人日本医療機能評価機構による病院機能評価(3rdG:Ver1.1)の審査を受け、認定基準を充足していることが認められ、平成29年7月7日付で認定されました。
今後も「大切な人を受診させたい病院へ」をモットーに、大阪府北河内医療圏の中核病院の一つとして地域医療に貢献していくとともに、医療の質の向上に取り組んでまいります。
当院は、公益財団法人日本医療機能評価機構による病院機能評価(3rdG:Ver1.1)の審査を受け、認定基準を充足していることが認められ、平成29年7月7日付で認定されました。
今後も「大切な人を受診させたい病院へ」をモットーに、大阪府北河内医療圏の中核病院の一つとして地域医療に貢献していくとともに、医療の質の向上に取り組んでまいります。
病院機能評価とは?
病院機能評価は、医療機関の機能を中立的な立場で評価を行う第三者機関として設立された公益財団法人日本医療機能評価機構が、病院の機能・安全管理体制・療養環境等について、中立的・科学的・専門的な見地から審査を行い、機構の定める認定基準に達しているかを評価するものです。
評価対象領域
1.領域 「患者中心の医療の推進」
2.領域 「良質な医療の実践1」
3.領域 「良質な医療の実践2」
4.領域 「理念達成に向けた組織運営」
評価対象領域
1.領域 「患者中心の医療の推進」
2.領域 「良質な医療の実践1」
3.領域 「良質な医療の実践2」
4.領域 「理念達成に向けた組織運営」