病名 | 一酸化炭素中毒(いっさんかたんそちゅうどく) |
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部位 | 全身 |
主な症状 | 頭痛、意識障害 |
頭痛、嘔気から意識障害、痙攣、ついには心停止・呼吸停止に至ります。高濃度の一酸化炭素に曝露された場合には短時間に心停止に至ります。
不完全燃焼によって発生する一酸化炭素が、血液中のヘモグロビン(血色素)と結合して、酸素の運搬が出来なくなります。脳組織は特に低酸素に弱く、症状が出やすいです。 なお、昔は都市ガスに一酸化炭素が含まれていたので、ガス中毒で死亡しましたが、現在の都市ガス(天然ガス)には一酸化炭素は含まれていません。
動脈血液分析により、一酸化炭素ヘモグロビンの濃度を測定します。 脳組織の障害を診断するためには、CT、およびMRI検査を必要に応じて実施します。
一酸化炭素が発生している場所から移動させ、酸素を吸わせます。重症に対しては人工呼吸で、高濃度の酸素を吸わせます。必要なら気管挿管して100%酸素で人工呼吸を行います。重症の中毒には、三-四週後に発症する遅発性の脳症状の予防のためにも総合医療センター高度救命救急センターにて高気圧酸素療法を行います。自殺による場合も多く、その場合には精神神経科との連携が必要となります。