腹痛、背部痛は高度で、腹をかがめて歩行は困難、さらに腰痛、胸部痛として拡がります。 嘔気、嘔吐、下痢（不消化便）、血圧低下、ショック、胸水による呼吸困難、等の症状が起こります。重症膵炎は、膵臓の浮腫、壊死、感染に伴い、膵周囲の浮腫、腹水貯留、胸水貯留、ショック、感染、敗血症、多臓器不全から死亡に至る重篤な疾患です。

胆石症（総胆管結石症）などの胆道疾患に併発する場合、膵石症、慢性膵炎などから急性膵炎に進展するもの、原因不明なものなどがあり、いずれも、消化能力の強い膵液が、膵管から漏れて、患者さん自身の膵臓などの組織を消化することにより生じます。

腹部ＣＴ，腹部レントゲン、胸部レントゲン、採血検査。

絶食・絶飲が原則です。薬物療法として、静脈内投与（点滴）に加えて、動脈内投与（膵臓に行く動脈に直接に薬を入れる）を行う場合もあります。膵臓が壊死（血流障害で腐ること）し、そこに感染が加わった場合には、感染した壊死組織の除去のために開腹手術が必要となります。さらに、腹腔内洗浄や血液浄化法（血液を濾過したり、透析したりして、血液中の有害成分を取り除く）が行われる場合もあります。