病名 | 重症頭部外傷(じゅうしょうとうぶがいしょう) |
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部位 | 頭部 |
主な症状 | 意識障害 |
頭部を強打した直後から意識が無い場合と、当初、意識があっても遅れて意識障害が増悪する場合があります。急激な場合には直後から、あるいは短時間のうちに呼吸停止、心停止に陥る場合があります。逆に、当初は意識障害がなくても、頭痛、嘔吐が増悪し、数時間以上の経過を経て意識障害を来す場合もあり、注意が必要です。逆に脳振盪では、当初は意識障害があっても短時間のうちに回復します。
頭部を強打したことにより、頭蓋内で出血し、脳が圧迫されて障害される場合と、脳神経自体が損傷される場合があります。前者には、硬膜下血腫、脳内血腫、外傷性くも膜下出血、そして遅れて意識障害が出現する硬膜外血腫があり、後者として、脳挫傷、びまん性軸索損傷などがあります。
CT撮影は必須です。頭部、頸部のレントゲン撮影も併せて行います。また、意識レベル、瞳孔所見、運動麻痺の有無などの身体所見も必要な検査です。
心肺停止には心肺蘇生術を直ちに実施します。頭蓋内の血腫が大きく緊急時には、手術室に移す余裕なく、直ちに頭蓋骨に穴を開けて血液を吸い出す穿頭術を行います。手術としては開頭して血腫除去術を行います。脳圧を下げるために、脳の髄液や血液を体外に誘導する処置を講じます。