病名 | 広範囲熱傷(こうはんいねっしょう) |
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部位 | 全身どこでも |
主な症状 | 熱傷により、水疱を生じ、更に熱傷が深くなれば蒼白となり、知覚麻痺となる |
熱による損傷で、その面積や深さ、年齢などが重症度を左右します。深く、範囲が広いほど重症となります。広範囲の熱傷では、緊急度よりも重症度は高く、すなわち大出血のように一刻を争うと言うわけではないにしろ、生命に関わる程度は強いです。早期には血管内の水分が失われてショックと呼ばれる血圧低下を来たすために、大量の点滴が必要です。その後、感染から敗血症となるため、早期の壊死部除去と植皮が必要です。
炎、熱湯のほかに、化学薬品による損傷(化学熱傷とも称する)、電撃症、さらには雷撃症、まれに低温に長時間さらされることによる低温熱傷もあります。体表面が焼けていなくとも、逃げ遅れて高熱の空気を吸った場合には気道熱傷を生じていることもあります。
熱傷の深達度と面積の評価は重症度の決定に重要です。
受傷直後には、ショックに対して急速、大量の輸液(点滴)が必要です。また、時に、焼けた皮膚が筋肉などへの血流を締め付けるために、緊急に皮膚を切開する必要が有ることがあります。重症熱傷では、創部からの感染が敗血症へと進展し、常に生命を脅かします。敗血症を防ぐためには、早期に壊死組織の除去と皮膚移植が重要です。