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子宮内膜症

症状の解説

月経時の腹痛や腰痛がもっとも多い症状です。月経のある女性の7〜10%程度に子宮内膜症を認めますが、不妊女性では50%にもなります。子宮の内膜と同じような組織が卵巣や、腹膜、腸管などの骨盤内で腫瘤を作って、月経と同じように出血することで様々な症状がでます。月経時以外にも痛みが持続することもあり、腸管に発生すれば便に、膀胱であれば尿に血が混じることもあります。

主な原因

良性の疾患ですが、子宮内膜と同じように女性ホルモン(エストロゲン)でどんどん増殖する、非常に厄介な病気です。子宮内腔に溜まった月経血が卵管から骨盤内へ逆流し、内膜組織が自家移植されたり、血液の刺激で異所性に内膜組織が新生する(化生と呼ばれます)ことなどが原因と推定されています。初経以前や閉経後に発生することはありません。子宮筋腫と同じように、閉経後には徐々に軽快する病気です。

必要な検査

内診:骨盤内の病変を見つけるために大切です。
超音波検査、骨盤MRI:卵巣の嚢胞性病変(チョコレート嚢胞)の診断に有効です。腸管や腹膜病変は分かりません。
血液検査:時に腫瘍マーカーが高くなりますが、特異的ではありません。
腹腔鏡検査:直接腹腔内を見て、病変とその広がりを確認できます。

治療法

子宮内膜症があっても症状が軽ければすぐ治療する必要はありません。特に妊娠をめざす場合は不妊治療を優先します。薬物治療(低用量ピル、黄体ホルモン、GnRHアナログ、ダナゾールなど)はいずれもかなり効果はあるのですが、卵巣を摘出したり更年期にならない限り、病気の進行を一過性に抑えることしかできません。また外科的に切除しても、再発することが非常に多い厄介な病気です。年齢や生活環境を考え、長期的な視点から個々に治療計画を立てる必要があります。

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