病名 | 卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ) |
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部位 | 下腹部(卵巣〕 |
主な症状 | 大多数は無症状、時に腹部膨満や腹痛 |
多くは無症状で、偶然検診などで発見されます。しかし捻転や破裂があれば、小さなものでも強い下腹部痛があります。また無症状で経過し巨大化して体重や腹囲が大きくなってはじめて気がつくこともあります。自然に消失する嚢胞がある一方で、一部にはごく小さながんを併存したり、長い経過でがんが続発することもあるため、手術適応がない場合も定期的に慎重に経過をみる必要があります。
卵巣の上皮や間質のさまざまな細胞から発生する良性の腫瘍で、非常に多くの種類があります。年齢や組織別に発生のメカニズムが違っているため、一律に原因を説明できず、予防する方法はありません。また発生に食事や生活習慣との関係はありません。なお腫瘍(新生物)ではなく自然に軽快して治療の必要がない嚢胞(卵胞嚢胞、黄体嚢胞など)もあります。
内診
超音波検査、骨盤MRI検査:嚢腫の正常、がんとの鑑別などを行います。
血液検査:種類によっては特異的な腫瘍マーカーの上昇があります。
小さな嚢腫や非腫瘍性が疑われるものでは定期的に経過をみれば良いのですが、原則的には外科治療(嚢腫摘出)が必要で、薬物では治療できません。多くでは腹腔鏡下手術が可能であり、悪性の疑いが否定できなかったり、癒着が強い場合には開腹手術が必要です。