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甲状腺腫瘍(悪性)

症状の解説

甲状腺は甲状軟骨(喉仏)の下にあり、蝶々が羽を広げたような形をしています。この腫瘍は喉仏と共に上下することが特徴で、特に首を後ろにそらせた状態で顕著になります。まだ腫瘍が小さいうちはそれと気づかず、検診での医師による触診や画像検査(超音波など)で見つかることもあります。腫瘍が大きいときや悪性(がん)の場合には、腫瘍が喉仏の裏にある声帯への神経を傷害して声がれやムセを起こすことがあります。

主な原因

放射線被爆により甲状腺腫瘍の発生率が高まることは、ソビエトのチェルノブイリ事故などで実証されています。しかし、一般的な甲状腺腫瘍の明確な原因はいまだ解明できていません。

必要な検査

甲状腺腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍(がん)とがあります。検査としては、甲状腺の状態を知るための採血のほか、超音波検査(エコー)と吸引細胞診(腫瘍を注射器で刺して細胞を採り検査する)が重要で、腫瘍の大きさと悪性度を検索します。悪性腫瘍(がん)が疑われる場合には、頸部リンパ節や全身への転移を検索するため、さらにMRI・CT・シンチグラフィーなどの画像検査が行われます。

治療法

明らかに良性で、かつ大きくない腫瘍は手術せず経過観察でよいと考えられます。しかし、悪性腫瘍や悪性が疑われる腫瘍、大きな良性腫瘍では、一般に全身麻酔下での手術(切除術)が行われます。合併症としては、術後出血・声がれやムセ(手術操作による声帯への神経の障害)・術後の甲状腺機能低下(甲状腺ホルモン内服が必要)などがあります。なお、悪性腫瘍の中にも各種あり、それに応じた治療方針が採られます。

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