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舌がん(口腔がん)

症状の解説

初期には痛みが無い場合があり、口内炎のように平坦に見える部分でも、触診では硬結として触れることが多いです。進行すると、腫瘤状に盛り上がったり、逆に潰瘍を中心にして周囲が硬く変化したりします。痛みや出血、時には悪臭を伴うこともあり、さらに進行すると食事が飲み込みにくくなったり、しゃべりにくくなったり、頸部のはれ(リンパ節へのがんの転移)が出現することもあります。

主な原因

口腔がんの中で舌がんは9割と最も多く、男女比は2:1とやや男性に多いです。他の頭頚部のがん(喉頭がん、下咽頭がんなど)に比べて、男女の差が少なく、これは発がんの原因が、喫煙や飲酒など化学的刺激や、虫歯、入れ歯、歯並びなどによる慢性的な機械的刺激によるものであるためと考えられています。そのため、比較的若い50歳代以下、時には30代でも発症することがあり、注意が必要です。

必要な検査

がんであることを確定するためにはまず、腫瘍の一部を切り取り、病理組織検査を行う必要があります。がんであることが確定すればCT、MRI検査などで、腫瘍の進展している範囲、頸部への転移などを確認します。さらに進行がんであれば、全身PET検査などで更に遠い部位への転移などを調べることもあります。

治療法

治療は手術・放射線治療が主体となります。抗がん剤は単独では効果が少なく、補助的に放射線に併用して使用されることが多いです。手術は十分な切除範囲と、術後機能を考慮して行われ、早期であれば切除のみですが、切除する範囲が大きければ、欠損により食事をとりにくくなったりするため、体の他の部分から組織を移植するなどして再建を行い、機能低下を最小限にとどめるようにします。放射線治療は、術後の再発予防や、体力的に手術が困難な場合、進行がんで手術不能の場合などに選択されることがあります。

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