病名 | 近視(きんし) |
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部位 | 眼 |
主な症状 | ぼやける |
近くは見やすいが、遠くはぼやける状態です。近視は屈折異常であり、眼の器質的な異常ではないため、矯正することにより良好な視力を得ることができます。しかし、近視の程度が強い場合、網膜の中心部(黄斑部)に萎縮・変性をきたすことがあり、良好な矯正視力を得ることが困難なことがあります。読書など近くを見る作業を長時間続けていると、近くにピントを合わせ続けることになり、この状態が続くと一時的に屈折力が強くなり近視に類似した状態になります。これを調節緊張(仮性近視)といいます。
眼をカメラに例えると、フィルムにあたる網膜よりも前方で眼に入ってくる平行光線が焦点を結ぶ状態であり、眼球の長さが長いほど度数が強くなります。原因としては、①水晶体の屈折力が強いため(屈折性近視)②眼の奥行きが長い(軸性近視)があげられます。小児は体の成長に伴って眼球も成長するため、眼の奥行きが長く延びることによって近視も進行します。また環境因子の関与もあり、本を読んだり、テレビ・パソコンなどの近見作業が増えることにより更に近視が進行することがあります。
通常、視力検査で測定します。 小児の場合、ピントを調節する能力が大きく、屈折検査時に調節が介入するため成人と同じ方法では正確なデータを得ることは難しくなります。そこで、一時的に調節を麻痺させる点眼を使用して、調節力をない状態にして視力測定を行います。この点眼は、調節を麻痺させるので、点眼後ピントが合いづらい状態になり、この状態は1,2日続きますが、その後自然にもとに戻ります。
眼鏡やコンタクトレンズによる矯正が一般的です。 最近ではレーシックによる屈折矯正手術も行われています。 調節緊張(仮性近視)に対しては、過度に働いている眼内の調節筋を麻痺させ、緊張をやわらげることにより近視状態から解放するために点眼薬を使用することがあります。