病名 | ぶどう膜炎(ぶどうまくえん) |
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部位 | 目 |
主な症状 | 視力低下、羞明(シュウメイ、まぶしさと痛み)、充血、痛み |
ぶどう膜炎という名前はなじみが薄いかもしれませんが、虹彩炎などとも呼ばれ別名がたくさんあります。目に起こる炎症を総じてぶどう膜炎と呼びます。充血と痛み、光を見るとまぶしく痛む(羞明といいます)などがあり、視力が低下する事もあります。充血というと結膜炎が知られていますが、結膜炎と違って目ヤニが出ないのが大きな違いともいえます。中には充血がかるいことやしない事もあり、自分ではわからない事もあります。
約半数は原因不明のものです。しかし、概してぶどう膜炎はそういう体質があるために起こっているものと考えて良いでしょう。というのも、一旦治療してもまたしばらく時間が経ってから再発する事が多いからです。中には原因がはっきりしているものもあって、感染が原因で起こるぶどう膜炎や、全身病の眼病変として現れるものもあります。ベーチェット病、サルコイドーシス、原田病の3つが3大ぶどう膜炎と呼ばれ有名です。
視力検査の他、眼科において細隙灯顕微鏡という臨床顕微鏡を使った検査である程度診断がつきます。薬で瞳を開いて眼底検査を行い、眼底にも病変が無いかどうかチェックする必要もあります。場合によっては薬を注射しながら造影検査を行う蛍光眼底造影が診断、鑑別に役立ちます。ベーチェット病、サルコイドーシス、原田病の場合には全身症状との関連を調べるための採血や、胸部レントゲン検査が必要です。
たいていのぶどう膜炎の場合には局所ステロイド治療を行います。ただ、感染症によるぶどう膜炎の場合には却って悪化する場合があることと、ステロイド剤投与による副作用が出る事もあるために、診断を正しく行ってから治療を行う事が必要です。原田病の場合にはステロイド剤を大量に点滴で投与する治療を行う事が一般的です。再発を繰り返す事があるので、投薬を途中で勝手に止めてしまわない様、注意が必要です。