病名 | 前立腺炎(ぜんりつせんえん) |
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部位 | 腹部(前立腺) |
主な症状 | 尿道の違和感、排尿時痛、発熱、残尿感、会陰部痛 |
尿道や会陰部の違和感、痛みを感じたり、排尿時に尿道の痛み、灼熱感を感じます。腰痛や陰茎、精巣の痛みを生じることもあります。尿道から膿が出てきて下着に付着することがあります。感染の程度が強ければ高熱を伴うことがあります。 急速に症状が出てくること(急性前立腺炎)、ゆっくり発症し再発を繰り返すこと(慢性前立腺炎)があります。
男性のみのものですが、多くは尿道の出口から入ってきた細菌が、尿道の奥にある前立腺まで侵入し発症します。ほかの感染源から血液の流れにのって前立腺にたどり着くこともあります。まれに、カビ、ウイルス、原虫による感染が前立腺炎を引き起こすこともあります。誘因としては性行為などによる細菌、ウイルス感染がありますが、原因を特定できない様々な誘因で生じることもあります。
まずは尿の顕微鏡での検査で感染時に出てくる膿、細菌の有無を確認します。前立腺の炎症の確認のために肛門から指を入れて、前立腺を触ると強い痛みを感じるか確認することがあります。前立腺のマッサージをして出てきた前立腺液の状態を確認することがあります。発熱を伴っていれば採血で炎症の程度確認を行います。
急性の細菌感染に伴う前立腺炎では、軽症の場合、1-2週間の抗菌薬の内服で軽快しますが、発熱を伴う重症な状態であれば入院が必要となり点滴での抗菌薬投与を4−7日間行う必要があります。細菌などが原因でない前立腺炎では、完治が困難なことが多く、症状を和らげる目的で前立腺肥大症の薬(α遮断薬など)、炎症を抑える薬剤、鎮痛剤などを服用することがあります。