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腎腫瘍・腎がん

症状の解説

腎がんの症状として、古典的な三徴(血尿、腰背部痛、腹部腫瘤)が知られていますが、最近は無症状で発見される例が70%以上を占めています。最も多い発見契機は、検診または糖尿病、高血圧、心臓病などの他疾患精査中に、偶然、超音波検査やCT検査で異常を指摘される事です。このように偶然発見される腎腫瘍は小さい場合が多く、良性である事もあります。現在、腎がん診断に関しての、有用な腫瘍マーカーは存在しません。

主な原因

腎がんの発生因子は、単一の危険因子としてではなく、例えば、喫煙と肥満、高血圧といった因子などが発がんのリスクを高めていると考えられています。職業や環境としては石油関連の化学物質やカドミウムなどの金属類への暴露が発症リスクを上げるとも考えられています。また、長期透析患者さんの多くに発生する後天性のう胞性腎疾患(ACDK)や遺伝性疾患である von Hippel-Lindau(VHL)病に腎がんが高率に合併します。

必要な検査

腎がんの早期発見には腹部超音波検査が有用です。確定診断として腹部CT検査を施行します。腎機能やアレルギーなどの面で問題なく造影剤の投与が可能であれば、造影CTの方が精度が高いです。腎がんは肺に最も多く転移しますので、腹部CTにて腎がんが疑われれば、肺転移の確認のために胸部CTも施行します。良性と悪性の鑑別は時に非常に難しいのですが、MRIなどで区別することができる場合もあります。

治療法

腎がんの治療は基本的には手術を施行します。手術には、開放手術と腹腔鏡手術があり、腹腔鏡手術の方が侵襲が少ないと言われています。最近では腎機能を温存するために、小さい腫瘍であれば腎部分切除術も施行しています。当院は腹腔鏡下腎部分切除術を積極的に行っている日本でも有数の施設です。腎がんでは抗がん剤や放射線療法の効果がほとんどありません。手術不能例や再発した場合は、免疫療法や分子標的治療薬を投与します。

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