病名 | 過活動膀胱(かかつどうぼうこう) |
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部位 | 下腹部(膀胱) |
主な症状 | 頻尿、尿失禁 |
過活動膀胱とは急に尿意をもよおし、漏れそうで我慢できない(尿意切迫感)、トイレが近い(頻尿)、尿意切迫感だけでなく、場合によってはトイレまで我慢できずに尿が漏れてしまうこともあります。(切迫性尿失禁(尿漏れ))などの症状を示す病気です。最近の調査で、とても多くの方がこの病気で悩んでいらっしゃることがわかりました。
過活動膀胱の原因は、脳と膀胱を結ぶ神経のトラブルで起こる神経因性のものと、それ以外の原因で起こる非神経因性のものがあります。前者では脳梗塞などの脳血管障害、脊髄損傷などの脊髄の障害の後遺症により、脳と膀胱を結ぶ神経回路に障害が起きてその連携がうまくはたらかなくなる場合、後者では特に女性の場合、加齢や出産によって、骨盤底筋が弱くなったりする場合、また原因が特定できない場合もあります。
初診時に行われるのは問診です。いつどんな症状があるのかを問診します。また過活動膀胱の症状の程度を調べるための過活動膀胱症状質問票(OABSS)という簡単な質問票です。問診以外では尿検査や腹部超音波検査です。これらは他の病気の可能性も含めて確認するための検査です。その後は排尿日誌をつけてもらいます。これは患者さんの現在の状況を把握するものです。その他に尿の出ぐあいをみる尿流量検査、残尿検査などを行います。
治療は、まず薬物療法を行うのが一般的です。おもに抗コリン薬が使われます。副作用には、口の中の渇き、便秘などがあります。最近では副作用の少ない薬物も開発されています。他に行動療法として膀胱訓練、骨盤底筋体操などで、機能の弱まった膀胱や骨盤底筋を鍛えることによって治療します。また骨盤に電気や干渉低周波で刺激を与えて、骨盤底筋の収縮力を強化したり、膀胱や尿道の神経のはたらきを調整する治療があります。