病名 | 薬疹(やくしん) |
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部位 | 全身 |
主な症状 | 赤い発疹(紅斑)、水疱、膿疱、ぶつぶつした発疹(丘疹)、ただれ、発熱、全身倦怠感 |
皮膚が少し赤くなる程度から生命に係わる重症の例まで、皮膚の症状も全身症状も多彩です。原則的にはその薬剤が合わないと認識するまでの期間(感作期間)が必要ですので、開始してから少なくとも1週間後に症状が現れてきます。しかし、以前に使用した経験のある薬剤の場合には感作期間は必要ではないため、すぐに症状が現れます。ひふの変化は紅斑が主体ですが、水疱やびらん、粘膜の変化が生じることがあります。
1週間ほど薬物を使用(内服、点滴、検査)した際に、その薬物に反応するようなリンパ球が産生され、それが皮膚に集まることによって症状が現れます。
薬疹の種類によって検査法が異なります。
① DLST(血液と薬物を試験管内で培養して反応をみる)
② パッチテスト、スクラッチテスト、皮内テスト(皮膚に薬物を塗布したり注射を行って反応をみる)
③ 内服テスト(疑わしい薬物を少量から内服し、反応をみる)
当科では原因薬物の検査を積極的に行っています。
疑わしい薬物を中断し、軽症の場合には、ステロイド外用薬で、中等症ではステロイド内服治療を行います。薬剤過敏性症候群(DIHS)やスティーブンス・ジョンソン症候群、アナフィラキシーといった重症の薬疹では、入院の上、全身管理のもとに治療を行うことが必要です。