病名 | 尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん) |
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部位 | 全身の皮膚 |
主な症状 | 鱗屑(ふけ様のものが皮膚表面に付着します)を伴った紅斑 |
境界がはっきりした、やや隆起した不正形の赤い発疹が多発します。激しくはありませんが痒みを伴うことがあります。腰、肘、膝、下腿などに好発し、頭皮にはふけ様の変化が強く現れ、爪の変形がみられることがあります。とくに夏場は爪の先が剥離しやすくなります。関節リウマチと類似した関節の腫れや痛みを伴うことがあります。
原因は明らかではありませんが、遺伝的体質が関係しています。ストレス、感冒、疲れなどが発病のきっかけとなったり悪化する原因になります。また、50年前に比べてしだいに患者さんが増えていたり、昔はエスキモー人には患者さんが極端に少ないといわれていたことから、魚から肉を中心とした食事の西洋化も何らかの関連性があると考えられています。
通常皮膚は30日程度で新しくなりますが、この病気では7日から10日ほどで急いで新しくなります。そのため、粗雑な皮膚になり、特徴的な構造の変化が見られます。皮膚生検を行ってその異常な構造を確認します。また、炎症反応を伴いますので、その程度を知るためにも皮膚生検が役立ちます。
ステロイドや活性型ビタミンD3を含有する外用薬が標準治療です。難治の場合にはレチノイド、免疫抑制薬の内服、紫外線治療を行います。紫外線治療は外来で簡単に行えるnarrow band UVB 療法と入院で行う内服PUVA療法とがあります。当科は紫外線治療の中核施設として優秀な治療成績をあげています。また、平成22年2月から、生物学的製剤である抗TNFα抗体の注射薬も使用可能となります。