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炎症性腸疾患

症状の解説

炎症性腸疾患には主に潰瘍性大腸炎とクローン病があります。 潰瘍性大腸炎は大腸に発症する疾患で、下痢や血便が長期に続きます。下痢が長期に及ぶと脱水状態となることがあります。 クローン病は口から肛門までの全消化管で起こりうる疾患です。小腸に起こった場合は腹痛、嘔吐、食事がとれない時は栄養障害が現れます。大腸の場合は潰瘍性大腸炎と症状が似ています。また痔ろうとよばれる肛門疾患を合併することがあります。

主な原因

完全なる原因解明はまだなされていませんが、体の中への菌やウイルスの侵入を防ぐための免疫が食物や腸内に常在する細菌に対しても攻撃をしてしまい、慢性的に腸に炎症が起きるという説(腸管免疫寛容の障害説)が有力です。他に、未知の菌やウイルスによる感染が原因とする説や自己の免疫が自身の腸を攻撃する説などがあります。

必要な検査

X線による大腸造影検査や大腸内視鏡検査があります。その他、病変部の拡がりぐあいを見るためにCT、超音波検査などを行います。小腸に病変部がある場合は小腸の造影検査や内視鏡検査を行うこともあります。 また発病してから10年以上経過した潰瘍性大腸炎の患者さんは、一般の人より大腸がんを発病する危険性が高くなるといわれていますので、定期的に大腸の検査をうけることが必要です。

治療法

まずは食事療法、具体的にはタンパクや脂肪を含まない食事をとることから開始します。ストレスを可能な限り回避することも重要です。またペンタサやステロイドなどの内服薬物療法も有効な治療法です。最近では免疫を抑制する薬剤や、炎症の原因細胞を取り除く方法(白血球除去療法)が行われるようになっています。薬による治療が無効となったり、薬による副作用が強くなった場合は手術が必要となります。

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