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肥厚性幽門狭窄症【子ども】

症状の解説

肥厚性幽門狭窄症は生後2−3週ごろから哺乳後にミルクを吐くことから発見される病気です。男児に多くみられます。吐乳の程度がひどくなると、哺乳毎になり体重が減ってきます。また便の量も減り便秘になってきます。飲んでも吐くのですぐにおなかが減り、こどもは泣きますが、ミルクを与えてもまた吐いてしまいます。その吐き方が勢いよく1mくらい飛ぶようになるので噴水状吐乳という表現をします。

主な原因

肥厚性幽門狭窄症では胃の出口にある幽門筋が肥厚しているためにミルクの通過が妨げられています。肥厚の厚さは5mm程度、長さは2cmほどのことが多く、このため、ころっとしたかたまりをおなかに触れます。この病気の原因はいまだに不明です。

必要な検査

胃に飲んだミルクや胃液がたまってしまうために、おなかのレントゲンで胃の拡張がみられます。以前はバリウムなどの造影剤で胃透視をしていましたが、現在では超音波検査が最もいい検査です。幽門筋の肥厚が4mm以上確認されれば診断確定です。吐乳時に胃液も吐いてしまうので、血液検査や尿検査で脱水や電解質異常の程度を調べて、点滴で不足分を補う必要があります。

治療法

原則的に手術が必要です。硫酸アトロピン療法もありますが、副作用や治療に長期を要すること、家族の負担が大きいことなどから積極的には行いません。当科では早くから腹腔鏡手術を多数例に行っています。臍からカメラを入れたあと、2箇所に3mm長の傷から細い鉗子を入れて、肥厚している筋肉に切開を入れて広げます。翌日から哺乳でき、数日の入院で経過は良好です。

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