病名 | 川崎病【子ども】(かわさきびょう) |
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部位 | 免疫 |
主な症状 | 発熱、発疹 |
多くは4歳以下のお子さんが発症する、高熱と発疹を特徴とする急性疾患です。その他の症状として、目の充血、唇や口の中の赤み、手足の腫れ、掌や足の裏の赤み、首のリンパ節の腫れなどがみられます。回復期には指先の皮が剥けることがあります。 2週間ほどで症状が治まりますが、中には心臓の栄養を司る冠動脈に強い炎症が起きると”冠動脈瘤”ができ、心筋梗塞による突然死を起こすことがあります。
1967年、わが国の川崎富作博士によって最初に報告されて以降、多くの研究者の努力にも関わらず、いまだに原因はわかっていません。ただ、何かが刺激となって、動脈を中心とした全身の血管に強い炎症が起きる「全身性血管炎」によって諸症状が出ていること、そして、それらは2〜3週間で治まってくること、がわかっています。最近では、川崎病を発病しやすい素因(遺伝子)が関係しているのではないかという報告もあります。
血液検査、のどや鼻で細菌・ウイルス検査を行い、発熱・発疹をきたす他の病気との鑑別を行います。炎症の程度、治療の効果を判定するために定期的に血液検査を行います。 また、心臓への合併症をみつけるため、心臓超音波検査、心電図検査も定期的に行います。 万が一、冠動脈瘤ができた場合には、血管(冠動脈)造影検査を行うことがあります。
アスピリン内服と免疫グロブリン静注療法が標準的な治療とされています。この治療が行なわれる以前と比べ、冠動脈に後遺症を残し、不幸な転帰をとられる患者さんは明らかに減っています。この治療を行っても無効な場合が約20%の患者さんにみられ、免疫グロブリン追加投与やステロイド療法が行われます。冠動脈障害により心臓への血液が十分に確保されない場合には、カテーテル血管拡張術やバイパス手術が必要となります