病名 | 貧血【子ども】(ひんけつ) |
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部位 | 骨髄 |
主な症状 | 顔色が悪い、元気がない |
貧血は体内の組織に酸素を運ぶ赤血球の減少した状態で、多くは鉄欠乏が原因です。小児の貧血は普通、家族によって気づかれます。 見た目で何となく顔色が悪い、特に眼瞼結膜(下まぶたの内側)や唇の色が以前に比べて白い、色が薄い、黄色い、青白いなどと表現されます。ゆっくり発症すると大人でみられるようなふらつき、疲れやすいといった自覚症状に乏しいのですが、進行すると元気がない、食事が進まないといった症状が出ることもあります。軽症例では症状がなく血液検査でたまたま見つかることもあります。
●幼児期:早産児では鉄の貯蔵が少なく貧血になることがあります。母乳、人工乳、牛乳中の鉄分は少ないため、通常なら離乳食で摂取しますが離乳が進まなかったり偏食が多いと鉄分が不足し貧血となります。
●学童・思春期:必要な鉄分が多くなる時期なのに偏食や極端なダイエットをすると起こります。特に女児では月経後、鉄必要量が増えるため、より起こしやすくなります。まれに溶血や消化性潰瘍、骨髄の病気が原因となることもあります。
●食事内容の聞き取り:
① 乳幼児:離乳食は食べているか?ミルク類(鉄分含有量は母乳、牛乳<粉ミルクであるがいずれも非常に少ない)が極端に多くないか?
② 学童・思春期:偏食やダイエットはないか?
●血液検査:採血をして赤血球の数、大きさ、ヘモグロビン値、血清鉄、フェリチン(貯蔵鉄)、網状赤血球(赤血球の赤ちゃん)などを測ります。
鉄欠乏性貧血の場合は鉄分の補充を行います。錠剤や乳幼児ではシロップの内服を行います。貧血が改善しても貯蔵鉄を飽和させるにはさらに1~2か月必要です。食事内容の改善も必要ですが一般的な離乳食や食事をとれていれば大丈夫でしょう。(鉄含有量の多い食品例:鶏や豚のレバー、青のり、煮干し、干しエビ、貝類、卵黄など)その他は原因疾患によります。