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起立性調節障害【子ども】

症状の解説

心身の発育の著しい思春期の子どもに、立ちくらみ、立っていると気分が悪くなる、体がだるい、頭痛、腹痛、吐き気がする、食欲が低下する、ぼーっとする、といったさまざまな症状が現れます。 これらの症状が、午前中に強く午後から改善し夕方以降は軽減します。症状は春や秋の季節の変わり目や天候の変化による影響を受けます。

主な原因

起立性調節障害(OD)は、起立した際に、体位の変化に対して血液循環動態が破綻して起こります。すなわち立ち上がると血液が全身に行きわたりにくくなり、特に脳血流が低下すると、上記のさまざまな症状が現れます。 血液循環を司るメカニズムは、遺伝要因、自律神経機能、心理社会的ストレス、生活習慣などの影響を受けます。そのため、心理的ストレスが身体の不調を引き起こす状態(心身症)と位置づけられています。

必要な検査

血液検査により貧血や内分泌疾患がないことを確認します。ODの診断は起立前後の血圧と心拍数の変化を比較する起立試験を行って、変動が一定以上であればODと診断します。その際に総合医療センター小児科では腹部超音波検査で下大静脈径の変化を計測し、全身から心臓に還って来る血液量の変化を観察しています。また必要があれば心電図や胸部X線検査で心疾患、脳波でてんかんのないことを調べます。

治療法

患児と保護者に対してODの病態について十分に説明し、日常生活でODとうまくつきあえるよう、規則正しい生活や早寝早起き、水分を多めにとるなど環境の調整に取り組んでもらいます。このような工夫によって効果が不十分な場合には、薬物療法を行います。投薬の際には、薬ですぐに治る病気ではなく思春期の心身の変化に伴って起こる問題であり、薬を服用しながらうまくつきあって日常生活を充実させるよう説明します。

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