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注意欠陥多動性障害(ADHD)【子ども】

症状の解説

主な症状は以下の3つです。
①  不注意:細かいことに注意が働かない。簡単に集中力が途切れる一方、好きなことには集中しすぎる。
②  多動性:じっとしているのが難しく、そわそわする、急に走りだす。
③  衝動性:深く考えずに行動してしまい、ひんしゅくをかってしまう。順番待ちができない。日常生活で失敗が積み重なり、叱られ続けることで自信を喪失したり、反抗的な態度を身につけてしまう子どももいます(二次障害と言います)

主な原因

ADHDは生まれつきの脳の機能不全によって起こる発達障害の一つですが、直接的な原因は不明です。親御さんの愛情不足やしつけの失敗が原因でないことが分かっていますが、親御さんはそのような誤解を周囲から受けやすいものです。 不注意や多動、衝動性の症状は、ADHDの子どもだけでなく、自閉症スペクトラム障害(自閉症や広汎性発達障害)の子どもや、虐待を受けた子どもにも見られるため、注意が必要です。

必要な検査

親御さんや学校の先生からの詳しい聞き取り(乳幼児期からの発達の様子や、家庭・学校での行動の様子など)と外来での面接がメインになります。必要に応じて心理・発達・知能検査や学力検査、画像検査(脳のCTやMRIなど)、脳波検査を組み合わせて診断します。広汎性発達障害の鑑別のための聞き取りを行うこともあります。

治療法

ADHDの症状は成長とともにある程度落ち着きますが、現在困っていることがある場合には速やかな対応が必要です。 ADHDの正しい理解と現在生じている問題点の把握、その対処法などについてご家族や学校の先生方が情報を共有できるようにします。その子に合った環境づくりや関わり方をみんなで覚えていくことが大切です。さらに有効な薬物が現在は複数ありますので、適宜内服することを考慮していきます。

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