病名 | 急性上気道炎(かぜ症候群・感冒)【子ども】(きゅうせいじょうきどうえん(かぜしょうこうぐん・かんぼう)) |
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部位 | 鼻くう、咽頭、喉頭 |
主な症状 | 鼻汁、咽頭痛、発熱、咳 |
主な症状は、鼻汁・鼻閉・くしゃみ・咽頭痛・咳・痰・頭痛・発熱で、不安・不機嫌・食欲不振・吐き気・嘔吐・下痢を伴うこともあります。鼻汁は最初は水様(水っぱな)で、2〜3日すると粘膿性に変わってきます。通常は1週間以内に症状が良くなります。発熱の程度はさまざまで、熱のないことも多いですが、乳幼児のほうが、熱が高く(38〜40℃)、症状も強くなる傾向があります。
主な原因は、ウイルスで、冬から春先にかけてはライノウイルス(鼻炎症状が目立つ)・RSウイルス(鼻炎症状が強い)・インフルエンザウイルス(症状が急激で強い)・パラインフルエンザウイルスが多く、夏にはアデノウイルス・エンテロウイルス・コクサッキーウイルス・エコーウイルス(夏かぜ)などが多く見られます。 秋から冬に保育園・学校での流行がみられる際はインフルエンザウイルスによることが多いので大流行しやすいです。
確定診断には、ウイルス抗体価の上昇をみる血清学的検査や抗原の検出が必要ですが、通常は注意深い問診と診察が重要です。患児の全身状態・症状・身体所見をもとに、兄弟や家族に同様の症状があるか、保育園・幼稚園へ通っているか、またインフルエンザなどの周辺の流行状況はどうか、などの情報を総合して判断します。 咳が強く、嘔吐や不眠などを伴う場合は、気管支炎や肺炎の可能性を考えます。
大部分はウイルス感染症のため、原則として抗生剤は使用せず、自然治癒する疾患です。安静を保ち、冬季には保温に努め、急激な温度差は避けて、適切な湿度を保つようにします。 乳幼児では発熱時は水分摂取不良のこともあるので、脱水にならないように適切な水分補給を行います。 また症状の程度にあわせて、解熱剤や鎮咳去痰剤などを使用した対症療法を行います。