病名 | 本態性振戦(ほんたいせいしんせん) |
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部位 | 主に手指、頭部、声 |
主な症状 | 手のふるえ、頭部のゆれ、ふるえ声 |
両手をのばす(記帳する、署名する、コップを持つ)と”ふるえ”が出現します。緊張すると”ふるえ”は強くなりますが、少しアルコールを摂ると目立たなくなります。頭が縦ないし横にゆれることや、声がふるえることもあります。必ずしも高齢者だけではなく、10代から70代に起こる病気です。”ふるえ”(振戦症)の原因としては、パ−キンソン病よりも患者さんが多いといわれています。
原因は不明です。時に、血縁者にも同様の症状を見ることもありますが、”ふるえ”以外の他の神経障害をきたすことがないので、“本態性”と呼ばれます。日常生活、社会生活上支障がなければ、治療せずそのまま様子をみても大丈夫です。 “ふるえ”を起こす神経疾患は数多くありますから、まず専門医を受診して、他の疾患との区別をしっかり行う必要があります。
この病気のために、脳のCTやMRI検査、血液・髄液検査などに異常がでることはありません。しかしながら他の神経疾患、例えばパ−キンソン病による”ふるえ”や、薬剤によって引き起こされた”ふるえ”、甲状腺機能異常にともなう”ふるえ”などとしっかり区別することは治療方法や予後が異なってきますから大変重要です。そこでこれらの検査を組み合わせて診断を確定します。
生活上なんらかの支障をきたしているのであれば、薬剤治療を試みます。β遮断薬や抗てんかん薬を少量投与すると振戦は軽減することが多いです。