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重症筋無力症

症状の解説

全身の筋肉の疲れやすさや脱力が起こります。眼の筋肉に症状が出ることが多く、まぶたが下がる、物が二重に見えるなどの症状が出現します。朝のうちは症状が軽く、筋肉が疲れてくる夕方になると症状が重くなるという特徴があります。口やのどの筋肉に症状が出ると食事中にあごがだるくなったり、飲み込みにくくなったりします。首や肩、腰の筋力低下が起こると、腕が上がりにくくなったり立ち上がりにくくなったりします。

主な原因

運動神経が筋肉を収縮させる際には、神経終末からアセチルコリンという伝達物質が放出され、これが筋肉の受容体に結合して筋収縮が起こります。重症筋無力症では何らかの免疫異常によりアセチルコリン受容体に対する自己抗体ができて、神経の司令が筋肉に届くのを阻害してしまうため筋肉が疲れやすく力が入りにくくなります。

必要な検査

運動神経から筋肉への司令が正しく伝達されているかどうかを神経伝導速度検査で調べます。アセチルコリン受容体に対する自己抗体が出来ているかどうかを血液検査で調べます。免疫細胞の集まる胸腺という組織が腫大していることが多いので、胸部のCT検査を撮影します。

治療法

免疫異常による自己抗体の産生を抑えるために、ステロイド剤や免疫抑制剤を用いた免疫抑制療法を行います。免疫抑制効果の発現には時間がかかるので、アセチルコリンの分解を抑えるコリンエステラーゼ阻害剤を対症的に併用することがあります。重症の場合には自己抗体を血液中から取り除く血液浄化療法を行います。胸腺の腫大があれば、外科的に胸腺摘除術を行います。

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