病名 | 閉塞性動脈硬化症(末梢動脈疾患)(へいそくせいどうみゃくこうかしょう(まっしょうどうみゃくしっかん)) |
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部位 | 下肢、腎臓などの動脈 |
主な症状 | 冷感やしびれ感、歩行時などの痛み(間歇性跛行) |
下肢に高頻度に生じます。冷感やしびれ感、歩行や階段昇降する際にふくらはぎなどの重だるさ、痛みが起こります。進行してくると、休んでいる時にも症状が出現したり、踵や足趾などの末端から潰瘍や壊死が生じることもあります。下肢の切断に至るケースもあります。
動脈硬化が進行し、血管の内腔が狭くなったり閉塞したりすることで足の末端までの血液灌流が減少します。血液は酸素や栄養分を末梢臓器まで運ぶ担い手です。足(特に筋肉)で血液の需要が増大する際(例えば歩行や階段昇降など)に血液の供給が不十分となり、疼痛などが出現します。 心臓や頸においても動脈硬化を合併している事もあります。
診察では患者さんから症状の詳細を聞き、表在にある動脈の触診を行います。簡易検査として上肢と下肢の血圧測定比を出す上腕・足関節血圧比(ABI)検査を頻用します。症状がありABI検査が低下していれば、超音波ドップラー検査、CT検査、MRI検査、カテーテルによる動脈造影検査などの画像検査を行います。
基本は適度な運動を日々こなしていくことです。当院では健康科学センターにおいて個々人に適した運動療法を構築していただくことも可能です。その上で薬剤治療を行いますが、十分な効果が無ければ血行再建術が考慮されます。血管病変に応じてカテーテルを用いた血管内治療やバイパス術などの外科的な手術が選択されます。