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慢性腎臓病(CKD)

症状の解説

慢性腎臓病(CKD)は2002年に米国で提唱された新しい腎臓病の概念です。「たんぱく尿陽性」や「腎機能低下(濾過能力の低下)」が3ヶ月以上続く状態で、放置しておくと末期腎不全となってしまいます。初期は症状に乏しく、疲労感やむくみで気付いた時には透析直前ということもしばしばです。さらに最近、「CKDは心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患になりやすい」ことが分かりCKD対策がより重要なものになっています。

主な原因

CKDは慢性の腎臓病であり長い間かかって腎障害が進みます。腎炎が原因となることは古くから知られています。現在では糖尿病患者数の増加から、糖尿病性腎症が最大の原因疾患であり、透析導入の原因疾患の第1位となっています。さらに最近、高血圧、脂質異常症、肥満、メタボリックシンドローム、喫煙など動脈硬化に関わる生活習慣病によるものが増えています。

必要な検査

血液検査でクレアチニン値を測定し、推算式を使って濾過能力を表す推定糸球体濾過量(eGFRと呼ばれます)を算出します。また検尿でたんぱく尿の有無を調べます。eGFRが60mL/分/1.73m2未満あるいは蛋白尿があればCKDと診断され、原因の検索、定期的なチェックを受ける必要があります。詳しく調べるためには、CT、MRI、エコーなどの画像検査や針で腎臓の組織をとる腎生検が行われます。

治療法

血圧、血糖、コレステロールを厳しく管理しながら、たんぱく質や塩分の摂取量を制限して腎臓への負担を減らします。血圧の目標は130/80 mmHg未満ですが、たんぱく尿が1日1g以上と多ければ125/75 mmHg未満とより厳しくします。アンジオテンシン変換酵素阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬という種類の高血圧治療薬は、血圧を下げるだけでなく腎臓を保護する作用があり、積極的に使われています。

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